【第8回】 2008年02月04日
「行政書士」編 取っても食べていけないが、「意外な可能性」アリ。
今回は行政書士の資格について述べていきたい。
と書くと、「行政書士で人生リセットできるのかー」という茶々がすぐに飛んできそうな気がする。なるほど、運転試験場のそばには行政書士事務所がいくらでも見つけられる一方で、この資格を完全に眠らせているひとも珍しくない。判っているようで判らない資格、それが行政書士なのだ。行政書士事務所を舞台にした人気漫画でドラマ化もされた「カバチタレ!」以降、さらに虚像と実像がごっちゃになっている。
なにしろ「行政書士合格者のための実務講座」というスクールの講義が本気で実施されているほどで、仕事の中身を知らないまま合格することだってぜんぜん珍しくないのである。試験科目の変更以降かなり改善されたが、いまでも「試験と仕事は別もの」とまでいわれた行政書士資格の構造は変わっていない。
行政書士の一般像と
その虚実
ここで、行政書士の一般像と、その虚実をまとめておこう。
1) 試験はそれほど難しくないらしい
→これはほぼ正解。今からスタートして、来年合格してもぜんぜんおかしくない。法律の初歩と、やや高度な一般常識のテストだと思っていい。
2) 合格率が低い
→これは本当だが、合格者数はそれほど変わっていない。受験者数が異常に伸びているためだ。「カバチタレ!」の影響もあるが、全国の法科大学院在校生が試験なれのために受けているのと、法科大学院を検討している大学生が自分の法律職への適性を試すために受けていること、人気が続く公務員試験の模擬試験的に受験している人間が増えていることなどが背景にある。
3) 取っても食べていけない。
→これが、今回のテーマである。
一般の人間には、行政書士の仕事といえば運転免許取得・更新の「代書屋さん」の部分しか見えていない。いまから参入するのは難しそうである。実際、その通りだろう。
また一方で、行政書士の資格で就職や転職が有利になるかというと、そんなこともなさそうだ。小規模な場合がほとんどである行政書士事務所の求人は期待できない。また行政書士は試験に受かるだけでなく登録しなければ活動できないので、一般企業にも切実なニーズがない。「取っただけ」行政書士、実は試験に受かっただけのただの人、になりかねない。
ところが、である。実は行政書士は、才覚がある人には実に可能性がある資格なのである。行政書士は官公庁に提出する大部分の書類の作成、という独占業務や実質上の独占業務がある。それを活かすか活かせないかが、行政書士資格で「人生リセット」できるかどうかの境目なのだ。
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著者プロフィール
- 並木浩一
(ダイヤモンド社 編集委員)
1961年生まれ。青山学院大学フランス文学科卒、放送大学大学院修了、修士(学術)。編集者・執筆者として長年資格取得のテーマを手がけ、関連の著書に「最新 資格の抜け道」、共著に「『資格の達人」「税理士試験免除マニュアル」(いずれもダイヤモンド社刊)がある。
この連載について
何年かかろうともいくら金を使おうとも、本気で「あの資格が取りたい」と考えている人へ。人生リセットを賭けた、資格の取り方教えます。
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