【第11回】 2009年07月03日
「地銀の雄」横浜銀行の救世主?
自己資本を水増しする“繰延税金資産”の罠
前回は過小資本に苦悩するメガバンクを扱った。今回は、同じ業界でありながら、より身近な存在である地方銀行を取り上げる。
全国地方銀行協会が6月17日付けで発表した「決算の概要」によれば、地方銀行の09年3月期の当期純利益(連結ベース)は▲570億円で、5年ぶりに赤字に転落した。有価証券の減損処理と不良債権の増加が主たる要因だという。
そうした情報を踏まえて、早速、「地方銀行の雄」と称される横浜銀行の操業度率の推移をご覧いただきたい。
| 〔図表1〕横浜銀行の操業度率 |
![]() |
〔図表 1〕は本連載でも再三登場させているグラフである。
量産効果を最も発揮する予算操業度売上高を100%と置いて、実際売上高を実際操業度率、損益分岐点売上高を損益分岐操業度率、そして企業の利潤を最大化する最大操業度売上高を最大操業度率として表わしている。
前回のコラムでも紹介した通り、〔図表 1〕の実際操業度率の推移を見ると、07年後半は「サブプライムローン問題」、そして08年後半は「リーマンショック」に、横浜銀行も揺さぶられたことを読み取ることができる。
銀行の損益分岐操業度率が40%である理由
これも前回コラムで紹介した通り、08/12(08年12月期)まで、損益分岐操業度率が40%で推移しているのも、銀行業界の特徴だ。
銀行などの金融機関は複雑な金融商品を扱っているが、業務処理は均質化が図られている。銀行員は頻繁に異動を繰り返しても、従前の支店と同じ業務を異動初日からこなすことができるのだ。メーカーで、工場間の転勤(例えば半導体工場から家電工場へ)が難しいのとは対照的である。
Special Topics
バックナンバー
- 第29回
- “不況に強い”にも関わらず売上急減!? 医薬品業界を襲う「2010年問題」とIFRS (2010年03月19日)
- 第28回
- 不況と電子化が業績に直撃! キヤノン&リコーの来し方行く末 (2010年03月05日)
- 第27回
- 東1上場の98.4%が「ドンブリ原価計算」!? 大企業が“正しい決算書”を作らない理由 (2010年02月19日)
- 第26回
- “トヨタ黄色信号”はリコール前から点滅!? 株価指標でわかる自動車業界の優勝劣敗 (2010年02月05日)
- 第25回
- なぜ日本の電機メーカーは 韓国製品に完敗してしまうのか (2010年01月22日)
- 第24回
- パナソニックは本当に業績回復した? 決算短信では見抜けない“改善”の真相 (2010年01月08日)
新着トピックス
- News&Analysis
- 苦境の地方空港に追い討ちも? 火種くすぶる「ハブ空港」議論の真実
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 日本のためにならない「FREE」礼賛論を疑え!
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 大ヒット商品が続々「特許切れ」へ。 2010年以降、もう「新薬」は生まれない!?
- チャンスを逃さない! 今どき「住活」事情 By SUUMO(スーモ)
- エコポイントがなくても人気は絶大? 想像以上に盛り上がる「エコ住宅」ブーム
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 手足のひび割れと関節痛が同時に!? 骨の変形をも引き起こす皮膚病の正体
- 献魂逸滴 極上の日本酒を求めて
- 信濃鶴――伊那谷から飛来した「鶴」は高CPで香り高き純米酒
- 経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”
- 人民元切り上げ拒む中国のエゴに、 日本政府はしたたかで賢い対応を
- ツイッター+αのつぶやき企業戦略
- 特別対談!津田大介vs本荘修二(上) ツイッターで伸びる会社、沈む会社
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 金融市場異論百出
- 超インフレ国はジンバブエのみ 世界が学んだ「最低限の規律」
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- ユニー 前村哲路社長インタビュー 「現場の自由裁量権を広げ 個店経営のウエートを高める」
- 『社会貢献』を買う人たち
- キレイになって、途上国を支援! 女性の飽くなき「美への探求」が生んだ、一石二鳥のビジネスモデル
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 総需要の減少をもたらした2つの要因 ──今こそ必要なデフレの経済学(5)

- 岡野工業・岡野代表エッセイ
- “神の手をもつ男”岡野雅行氏が日本の物づくりに「常識を捨て去れ」と喝!

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
著者プロフィール
- 高田直芳
(公認会計士、公認会計士試験委員/原価計算&管理会計論担当)
1959年生まれ。栃木県在住。都市銀行勤務を経て92年に公認会計士2次試験合格。09年12月より公認会計士試験委員(原価計算&管理会計論担当)。
「高田直芳の実践会計講座」シリーズをはじめ、経営分析や管理会計に関する著書多数。ホームページ「会計雑学講座」では原価計算ソフトの無償公開を行なう。
------------ファイナンスの基礎知識が満載!------------
★高田直芳ホームページ『会計雑学講座』★
この連載について
大不況により、減収減益や倒産に直面する企業が急増しています。この連載では、あらゆる業界の上場企業を例にとり、どこにもないファイナンス分析の手法を用いて、苦境を克服するための経営戦略を徹底解説します。
アクセスランキング
- 1位
- 今週のキーワード 真壁昭夫
- キム・ヨナやサムスンに“脅威論”が噴出 「日本はもう韓国に勝てない」は本当か?
- 3位
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 県が格安で手に入れた茨城空港 「軍民共有化」というカラクリ
- 4位
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- 5位
- 家を買う!妻とのケンカを乗りこえて
- しっかり者の妻が豹変!? マイホーム買い物症候群とは
Recommend 話題の記事
- China Report 中国は今
- 優秀な中国人学生を採用できなくなった日本企業
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相「発言のブレ」正当化に疑問を呈す
- News&Analysis
- 日本が望みを託す宇宙開発の切り札! 「宇宙エレベーター」の知られざるシナリオ
- 山崎元のマルチスコープ
- 官民一体の海外ビジネス受注期待を怪しむ
- ミドルマネジャーのための「不機嫌な職場」改革講座
- この閉塞感はどうにもならないのか? 組織の成果を最大化する人事制度とは
- SPORTS セカンド・オピニオン
- 大リーグ球団にとっての、日本人選手の価値を考える
- 政局LIVEアナリティクス 上久保誠人
- 参院選がどう転んでも、 政界の「世代交代」加速は止められない

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。





