富士通社長 野副州旦
K.Sumitomo

 昨年発表した3ヵ年の中期事業計画では、2009年度に売上高営業利益率を5%に引き上げることを目標としている。07年度決算が増収増益(売上高5兆3308億円、営業利益2049億円で営業利益率は3.8%)と好調に終わったことから、前倒しで達成できる可能性が出てきた。

 たとえば、国内のシステム構築事業は08年度に10%の営業利益率を想定していたが、07年度にすでに9.8%を達成した。これを含むソフト・サービス部門の07年度の営業利益率は5.5%だったが、7%は優に超えると自信を持っている。ただし、そのためには顧客の懐に入り込み、活用の効果を示し、付加価値のある訴求を行なう営業力をますます強化していかなければならない。

 収益の柱に育ったことを踏まえ、ソフト・サービスを中心としたソリューション事業が富士通の本業であるといえよう。各ハードウエア事業はソリューションとのシナジーのなかで再定義されるべきだ。

 5%超えには、半導体や携帯電話など、ハードウエア事業の課題解決が不可欠だ。社長就任以降、各事業部門のトップすなわち経営者と、それぞれがどのようにその5%のために貢献できるのか、その先にどういう成長路線を描くのか、互いに確認し合うプロセスを踏んでいる。慈善事業を行なっているわけではないので、むろん数字にはこだわる。他社との提携やM&Aを否定するつもりはまったくない。各経営者との議論のうえで判断していく。カリスマ経営者の時代ではない。(談)

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 遠藤典子)