【第72回】 2009年04月02日
日本の政治を蝕む世襲制度を断ち切る妙案は無いのか
昨日(3月31日)、自民党の勉強会に呼ばれた。会合は、衆議院本会議直前、自民党本部で開かれた。内容は、世襲制度の禁止について、筆者に話をしてくれというもの。二世政治家が少なくない自民党でのこうした動きは、これまでにはなかったと記憶している。
主催は「自民党を刷新する第三世代の会(仮称)」。柴山昌彦氏、早川忠孝氏、松浪健太氏らが中心の勉強会の設立準備会である。会議冒頭、代表世話人のひとりである松浪氏がこう語った。
「現在のままでいれば、自民党の明日はない。私たちは先鋭的に提言するのではなく、実行していく。そうした党の刷新のためにはタブーを恐れず、なんでも話し合っていきたい。こうした会合への上からの圧力には決して屈せず、横からの誘惑にも負けず、内からの流血も厭わない。そうした決意でやっていくつもりです」
講演とはいうものの、後半は、フリーディスカッションに近く、スピーカーの筆者にとっても有意義なものになった。
自民党の半数が二世では
党の活力も減退する
まず「地盤・看板・かばん」の三バンに触れていく中で、二世議員の占める割合の多さについて改めて驚きを共有した。自民党内には三親等までを「世襲」と呼ぶ、という暗黙のルールがあるようだが、個別ケースによってそれはまったく違うようだ。
たとえば、呼びかけ人のひとり、松浪健太氏自身も、松浪健四郎氏の甥である。後藤田正純氏や野田聖子氏も完全な世襲とはいいづらいのかもしれない。なにしろ親が地方政治家や首長は、世襲政治家にカウントされていない。そうした二世を含めれば、永田町の「二世政治家」は今よりももっと多いはずだ。
それはともかく、会合でも、世襲が確実に日本の政治を蝕んでいるという筆者の認識に対して異論はわずかだった。それは、自民党という政党の活力の減退ともまったく無関係とは思えない。
いまや自民党の実に半数近くが世襲か二世議員である。勉強会の出席者にも世襲議員がいる。代議制民主主義において、国民の利益や意見の表出は、代議士や議員を通じて行なわれる。そのための選挙であり、国会なのである。その立法府の3割以上が世襲で占められ、最大与党の約半数が「二世」であるというのは、さすがに党の活力を殺いでしまうという不安も無理なきことだろう。
Special Topics
バックナンバー
- 第117回
- ついに歴代首相・外相を国会召致か? 「核密約」を闇に葬った政・官・メディアの重い責任 (2010年03月11日)
- 第116回
- 呆れた言論封殺に、姑息な見出し変更 日本の新聞に未来などない! (2010年03月04日)
- 第115回
- ぶら下がりを拒否した岡田大臣と、 記者クラブに勝利した亀井大臣に拍手 (2010年02月25日)
- 第114回
- 歴代首相が鳩山総理を“脱税王”と追及できない理由 (2010年02月18日)
- 第113回
- 小沢幹事長問題ではっきりした メディアと国家権力の危険な関係 (2010年02月10日)
- 第112回
- ハイチが日本に求めているのは、 支援金の額よりも地震国の経験と知恵だ (2010年02月04日)
Pick Up
新着トピックス
- 森達也 リアル共同幻想論
- 何かが変だ。その"さん"づけに違和感がある
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 対等合併の呪
- おもしろ県民性データブック
- 【長野県】勉強好きで理屈っぽいが県歌を歌えば心は一つ
- 3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言
- 知識労働者は組織を通じて成果をあげなければならない
- 今週の週刊ダイヤモンド ここが見どころ
- あなたは保険会社に騙されている!? 「保険見直し」のバイブルが登場
- はい上がれる人、はい上がれない人――「負け組社員」リベンジの十字路
- “人生の負け組”が勢ぞろい! 負け組リベンジの名門「奇跡の屋台ラーメン」
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- 総需要の減少をもたらした2つの要因 ──今こそ必要なデフレの経済学(5)
- 週刊ダイヤモンドSCOOP
- セイコーHD株主代表訴訟へ 和光の不透明経営に批判
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 米金融関係者が鳩山政権に抱く4つの懸念と違和感
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 原英次郎の「強い中堅企業はここが違う!」 トップに聞く逆境の経営道
- 段ボール業界随一の原価計算の鬼! アースダンボールに学ぶネット販売の真髄 ~奥田敏光社長に聞く(下)
- 週刊ダイヤモンド 企業特集
- 【企業特集】ユニー 提携と差別化戦略で狙う “超”地方小売りチェーン
- 金融市場異論百出
- 「やり過ぎ」とブーイングを 浴びるFRB、正反対の日銀
- 週刊ダイヤモンド アーカイブズ
- クリス・アンダーソンとロングテール理論をおさらい!ネットが動かしたニッチ商品の驚くべき市場規模
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 日本のテレビ業界が復活するには 「キー局の合従連衡」が待ったなし
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 成長のための資産運用の落とし穴

- 「測るための標準」を考える
- 紀元前2500年頃に造られたピラミッドの建築に当たっては、常に同じサイズの石を…

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
著者プロフィール
- 上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「宰相不在 崩壊する政治とメディアを読み解く」「世襲議員のからくり」「ジャーナリズム崩壊」「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」など著書多数。最新刊は「民主党政権は日本をどう変えるのか」(飛鳥新社)。
この連載について
永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。
「お腹の調子が悪い」と政権を投げ出した安倍首相。「あなたとは違うんです」と逆ギレして職を辞した福田首相。そして漢字と空気が読めず政権崩壊寸前の麻生首相。この国の政治の混迷とメディアの体たらくを上杉隆が斬る。1500円(税込)
- DOLブックストアで購入
購入金額に関わらず送料無料! - Amazonで購入
アクセスランキング
- 1位
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 2位
- 「引きこもり」するオトナたち
- 成績優秀なのに仕事ができない “大人の発達障害”急増の真実
- 4位
- News&Analysis
- 日本を逆転しても意識は“子ども”のまま? 中国が世界にバラまく「強欲社会主義」
- 5位
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相は度を越えた「偽善者」か? “上から目線”の政治が不信感を強める
Recommend 話題の記事
- News&Analysis
- 日本を逆転しても意識は“子ども”のまま? 中国が世界にバラまく「強欲社会主義」
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相は度を越えた「偽善者」か? “上から目線”の政治が不信感を強める
- カツラーは今日も闘っているのだ!
- カメラは、カツラーの天敵である
- 「引きこもり」するオトナたち
- 成績優秀なのに仕事ができない “大人の発達障害”急増の真実
- 山崎元のマルチスコープ
- 上場企業は安定株主に甘えるな
- 辻広雅文 プリズム+one
- 富士通とトヨタに見る“日本的ガバナンス”の崩壊~なぜ取締役会は経営監督機能を果たせないのか
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 週刊ダイヤモンド『FREE』特集フリー素材集
- 週刊ダイヤモンド3月13日号 『FREE』特集のフリー素材集

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。




