家やマンションなどの不動産売却で成功するためには、どんな不動産仲介会社や営業担当者を選べばいいのだろうか。不動産の売却の際、不動産仲介会社選びに失敗すると、住宅の売却で損をする可能性がある。不動産仲介会社にだまされないために、『プロだけが知っている! 中古住宅の魅せ方・売り方』の著者で、価値住宅の代表取締役である高橋正典氏に話を聞き、「本気で売却してくれる不動産仲介会社・営業担当者の選び方」を7カ条にまとめた。不動産の売却を考えている人は、ぜひ参考にしてほしい。
「不動産の売却が成功するか、失敗するかは、8割が不動産仲介会社・営業担当者選びで決まる」と高橋氏は断言する。
売り手のために本気で売却してくれる不動産仲介会社や営業担当者は、どう選べばいいか。不動産売却で失敗しないための「不動産仲介会社・営業担当者の選び方 7カ条」にまとめた。
(1)安易に会社の規模で選ばず、複数の会社に相談すべき
(2)査定価格の根拠をきちんと示せるかチェックを
(3)売却に向けたストーリーを語れるかチェックを
(4)本当に売り手の立場で活動してくれるかチェックを
(5)インターネットを積極的に活用しているかチェックを
(6)社会人としての基本はしっかりしているかチェックを
(7)売却の専門知識やノウハウは豊富かチェックを
それでは、順次、説明していこう。
(1)安易に会社の規模で選ばず、複数の会社に相談すべき
不動産仲介会社を選ぶ際、「大手なら安心」と安易に会社の規模で選ぶ人は多いが、それは危険だ。
なぜなら、大手の不動産仲介会社でも、手数料を稼ぐため「両手取引」(両手仲介)を行う会社があるからだ。両手取引とは、不動産の売り手と買い手の両方から手数料を得る取引のことで、その比率が非常に高い会社もある。
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不動産仲介手数料は、上限が「成約価格の3%+6万円」(税別、売買価格が400万円を超える場合)と法律で決められている一方、両手取引を禁止する法律はない。一度の売買契約で、売り手と買い手の両方から手数料を受け取れる両手取引は、不動産仲介会社にとって“おいしい取引”といえる。
両手取引は、自分で買い手を見つけないことには成立しない。ほかの仲介会社が見けた買い手に売ってしまっては、手数料を受け取れるのは売り手からだけとなる。そのため、売り手の物件情報をあえてほかの不動産仲介会社には公開せず、自分で買い手を見つけるまで隠しておく「囲い込み」という行為が後を絶たないのだ。こうなると、本来売れたであろうはずの価格よりも安くなってしない、失敗と言える。
もちろん、「両手取引」や「囲い込み」は、依頼人である売り手に対して誠実な取引とはいえない。
売り手にしてみれば、依頼した仲介会社が広告などの営業活動を積極的に展開し、購入希望者を幅広く集めてくれた方がいい。そうすれば、早く売却できるし、値下げせずに済むからだ。だからこそ、不動産仲介会社は規模で判断するのではなく、「両手取引」や「囲い込み」をしていないか会社の対応や営業担当者の資質をよく見極める必要がある。そのためにも、複数の不動産仲介会社に価格査定の依頼や相談をしてみるのがいいだろう。
(2)査定価格の根拠をきちんと示せるか
売却物件の査定は、複数の不動産仲介会社に依頼するのが一般的だ。よくある失敗は、査定価格がいちばん高いという理由で不動産会社を選んでしまうことである。
査定価格はあくまで査定価格であり、実際にその価格で売れるかはわからない。専任媒介契約を取るための“エサ”として、わざと高い査定価格を提示する会社もある。
相場より高い売り出し価格を設定すると、当然、成約は難しくなる。時間をかけたすえ結局は値引きし、相場かそれ以下の価格で売ることになりかねない。
査定価格に惑わされないために、自宅周辺の不動産相場は知っておいたほうが、失敗しないだろう。近くで似たような立地条件、広さ、間取り、築年数の物件がいくらで売り出されているか、こまめにインターネットの不動産情報サイトや新聞の折り込みチラシを見ていれば、だいたいの相場はつかめるはずだ。
依頼した会社の提示した査定価格が相場と異なっていた場合、その根拠をきちんと聞こう。根拠もなく高い査定価格を出し、「この価格で売る自信があります。精一杯がんばりますので、ぜひ当社にお任せください」と根性論で契約をせまる会社には、要注意だ。
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(3)売却に向けたストーリーを語れるか
住み替えの場合、いま組んでいる住宅ローンの残債を清算しないと住み替え先のローンを組めないことがある。もし新たなローンを組めたとしても、売却が決まるまでローンの支払いが二重になってしまう。
実績と経験が豊富な不動産仲介会社や営業担当者なら、不動産の相場と売却物件の条件、売り手の住み替えタイミングやローン状況などを頭に入れながら、スムーズな売却に向けた段取りや、売却で損をしないストーリーを理路整然と説明してくれるはずだ。
(4)本当に売り手の立場で活動してくれるか
両手取引のため物件情報の囲い込みをする利益優先の会社か、本当に売り手の立場になって活動してくれるまじめな会社か。それを見極めるため、媒介契約を結ぶ前に「両手取引をせず売却活動をしてもらえますか」と営業担当者に直接たずねてみよう。正直に答えるかはわからないが、少なくとも囲い込みに釘を刺すことにはなり、失敗する確率は減るだろう。
不動産仲介会社の中には、自社で中古物件の買い取りを行っているケースがある。「買い手が見つからない場合は、当社で買い取りますので安心してください」。そんな甘い言葉を真に受けてはいけない。
買い取った物件は、リフォームしたあと、その会社が売りに出す。いわゆる「買取再販」というもので、不動産仲介会社にとっては儲けの大きい取引のひとつ。安ければ安いほど利幅は大きくなるので、なるべく安く買い取ろうとする。
囲い込みにより買い手が見付からず、住み替えの時期が迫ったため焦って買い取ってもらうと、安く買い叩かれる可能性がある。それでは不動産仲介会社の思うつぼなので、事前の確認が非常に重要だ。
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(5)インターネットを積極的に活用しているか
インターネットで購入物件を探すのが当たり前となった昨今、依頼した不動産仲介会社がインターネットを積極的に活用しているかで、売却がスムーズに進むかどうかが大きく左右される。
媒介契約を結ぶ前に、不動産仲介会社が自社サイトで売却物件をきちんと紹介しているかどうかを確認しよう。その上で、営業担当者に大手不動産会社など他社のサイトや、不動産情報サイトなどにも売却物件の情報を載せてくれるか聞いてみよう。
(6)社会人としての基本はしっかりしているか
できる営業担当者は、社会人としての基本がしっかりしているものだ。物件査定の内覧などで営業担当者が自宅に来た際には、身だしなみや言葉づかい、マナーなどをしっかりチェックしよう。電話やメールでの応対、問い合わせに対しての反応速度なども、大事なチェックポイントとなる。
話をきちんと聞く姿勢を持っているかどうかも重要だ。客の話をじっくり聞かないと、本当のニーズはわからないし、客の立場に立った販売活動はできない。こちらの話をろくに聞きもしないで、専門用語を並べ立てたり、過去の実績を一方的にしゃべったりするような営業担当者はNGだ。
また、客にとって耳障りのいい話ばかりする営業担当者も避けたい。たいていは、プロとしての自信がないか、契約を取るため客に気に入られようとごきげんを取っているかのどちらかだ。たとえば、こちらの売却希望価格に対して、「相場より高いので難しいですね」とか、「水回りがかなり古くなっているので、残念ながら査定価格は落ちます」など、専門的な知識にもとづいて率直に話してくれる営業担当者は、経験豊富なプロと見てよく、失敗することは少ないだろう。
(7)売却の専門知識やノウハウは豊富か
不動産業界で働く人の代表的な資格は、「宅地建物取引士」。かつては、「宅地建物取引主任者」と呼ばれていたが、2015年から名称が変更された。
宅地建物取引士でなくても不動産の営業はできるが、売買契約の際の重要事項説明を行う際はこの資格が必要となる。また、資格があることはひとつの安心材料にもなる。
そのほか、住宅ローンや税金の知識が豊富で的確なアドバイスができる営業担当者は心強い。
同じ物件でも、家の中がすっきりと片付いていて、センスのいい家具や照明があると、内覧に来た購入希望者の印象は大きく変わる。そのように、住宅をより魅力的に見せる方法を「ホームステージング」というが、そうしたノウハウがあるかどうかも、成約に影響してくる。
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~まとめ~
7カ条を参考に不動産仲介会社を探そう
以上が、不動産売却で失敗しないための「不動産仲介会社・営業担当者の選び方」7カ条だ。
通常は、複数の不動産仲介会社に査定を依頼し、その中から不動産仲介会社を選ぶという人が多いだろう。その際、「本気で不動産の売却に取り組んでくれるか」という視点でチェックするためにも、7カ条を活用してほしい。
なお、実際に売却する際は、複数の不動産会社に査定を依頼して、じっくりと相場を把握し、焦らずに販売していくのがいいだろう。その際、「不動産一括査定サイト」などを活用すると、複数の会社に簡単に査定を依頼できるので便利だ。
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