積極的に働く社員を生む
逆ピラミッド型マネジメント

やとぎ・じろう
麺屋武蔵代表。1976年、埼玉県生まれ。2001年、麺屋武蔵入社、03年、「麺屋武蔵 武骨」店主に就任、04年、「麺屋武蔵 新宿総本店」店長に就任、13年、「株式会社 麺屋武蔵」代表取締役社 に就任。創業者、山田雄のイズムを継承し、常に「革新的で上質」なラーメン店作りを目指す

──国籍や考え方が多様化してくると、マネジメントも大変になってきそうですね。マネジメント面で工夫されている点は、どのような点でしょうか?

 工夫するというより、現場スタッフの働きやすい環境を作り、現場に権限移譲することです。現場のことはなるべく現場に任せ、口を出さないこと。店のことを一番理解しているのは現場スタッフです。現場を信じ任せる。そしてそのサポートに徹する。それに尽きると思います。

──では、どのような点をチェックされるのでしょう?

 「客数」です。この数字はお客さまからの「通知表」だと私は考えています。客数が落ちるということは、お客様に喜ばれていないのということです。そのような場合は改善を求めます。改善策を押しつけるのもいけません。現場が「考えて、行動する」事が大事だと思います。

 お客さまを喜んでいただくことの大切さを、先代から私は学びました。「ラーメンを作っているからお給料が出ているのではない。お客さまに喜んでいただいたからから、給料が出てるんだ」と言われた事は、私が社長になってからも従業員に口酸っぱくして伝えています。

──社長の熱い言葉が伝わっているから、現場も付いてくるのですね。各店舗の雰囲気などはいかがですか?

 どの店も活気があって、従業員同士も仲良いです。ただ一時期、アルバイトの方が社員よりもモチベーションが高い時期がありました。原因は、アルバイトはシフトを自由に組めるのに対して、社員は自由がきかなかったから。たくさん働きたい人もいれば、家庭を大事にしたい社員もいます。

──社員も働き方を選びたい、ということですね。

 その通りです。そこで、正社員にも働き方の選択肢を持てるようにしました。たくさん働きたい人、休みを充実させたい人、「働かされる」ではなく自ら「働く」環境です。

 現場が働きやすい環境を整えることを重要視していて、「逆ピラミッド」構造の組織体を敷いています。社員に上も下もなく、あるのは単なるポジションの違いだけです。私は現場が提案しやすい環境を整える担当をしているだけで、立場としては社長の私が一番下だと思っています。お客さまに喜んでいただいているのは現場であり、現場が一番大事でなければおかしいんです。