『ごみ収集という仕事』で清掃職員の苦労を知る

『ごみ収集という仕事』
『ごみ収集という仕事~ 清掃車に乗って考えた地方自治』
藤井誠一郎著
コモンズ刊 2200円(税抜)

 ちょっと毛色の変わったベストセラーを紹介しよう。『ごみ収集という仕事』(コモンズ)だ。大学で地方自治や行政学を研究する准教授が、東京都新宿区の清掃職員を9ヵ月にわたり体験。真摯に働く清掃員たちの姿をリアルに描きつつ、そこから見えてきた行政の課題を指摘している。

 過酷な清掃作業の実態には驚かされる。40キロにもなるポリバケツいっぱいのごみを収集車に投入するのは、かなりの重労働な上に、制服や身体、吐く息に強烈な「臭い」がつく。ごみ袋に爪楊枝や串、時には注射針が紛れ込んでいると、清掃員が怪我をする恐れがある。その対策のために清掃員は破傷風のワクチン接種をしているそうだ。

 また、定期的に街中を巡回する清掃員たちは、地域の現状をもっともよく把握している。高齢者の「みまもり」の役割を果たしているケースも。住みやすい街づくりに、かけがえのない役割を果たしている人たちなのだ。

 年末年始は、どうしても家庭ごみが溜まる。本書を読み、清掃員たちの苦労を知れば、せめて分別はしっかりとしようと思うはずだ。

(文/情報工場SERENDIP編集部)

情報工場
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