なぜ人気予備校講師の授業はわかりやすいのか、多くの人が集まるのか?『東大院生が開発!頭のいい説明は型で決まる』の著書で元駿台予備学校講師・犬塚壮志氏がそのコツを明かします。
受験生の意識を惹きつけたいなら
「キラーフレーズ」を使え!
「小説の問題で点数を取りたければ、ストーリーに感情移入するな!小説の穴埋め問題、論旨を問う設問には、感性やセンス、読解力はいらない!確実に点数が取れる解き方を教えよう」
以前勤めていた予備校で、尊敬する現代文の人気講師が授業で話されていた内容です。
当時、説明スキルがまだまだ未熟だった私は、ベテランの人気講師の授業の様子についてご本人の許可をとり、廊下から拝聴する機会がありました。
人気予備校講師の授業は、200人入れる教室がいつも満杯になります。それだけの受験生を集められるということは、当然、何か秘密があるはずです。
最初は、自分の授業とどのような違いがあるのか全くわかりませんでした。しかし、予備校業界トップの講師の授業を聞いていくうちに、共通のノウハウが見えてきたのです。
通常、小説というものは登場人物に感情移入して読んでいくものなのに、冒頭の現代文の講師はそれをひっくり返す話し方をしたうえで、「小説で確実に点数が取れる解き方」というキラーフレーズを用いて受験生の意識をグッと惹きつけたのです。