年末年始の休暇中は、何かとせわしないものの、いつもよりはまとまった時間がとりやすい。この機会にじっくりと、2019年の飛躍の足がかりとなる良書のページをめくってみてはいかがだろうか。
2018年も数多のベストセラー書籍が生まれた。その中から、仕事やこれからの生き方、ものの考え方のヒントになるような5点の書籍を、ビジネスパーソン向けに厳選した書籍のダイジェストを提供するビジネス書のプロ『情報工場SERENDIP編集部』が紹介。普段は手に取らないようなジャンルの本も含まれているかもしれないが、年末年始だからこそ、これまでとは違うアンテナを伸ばしてみよう。
『ホモ・デウス』が描く戦慄の未来
原書が世界中でベストセラーとなり、今年9月に日本語版が出版されるやいなや、ランキング上位におどり出た、『ホモ・デウス』(上・下2分冊、河出書房新社)。イスラエル人歴史学者、ユヴァル・ノア・ハラリ氏が、ロングセラー『サピエンス全史』の“続き”として描くのは、衝撃的な人類の未来だ。
描かれるのは人類の進化ではない。「データ」の進化だ。生身の人間の意思や思考、行動はすべてデータ化され、データのみが価値あるものと見なされる。人間は、データに仕える存在に。つまり、SNSへの投稿などにより、自分の行動をせっせとデータにしてアップロードするだけの生き物になってしまうという。
SF小説のような荒唐無稽な未来物語として読みながら、ふと自分がどれだけのデータをインターネット空間に送っているかを思い出し、背筋がゾクッとする人もいるかもしれない。
最近では、個人データの漏えいなどが社会問題にもなっている。2019年は、これまで以上に、個人データについて、またインターネットやSNSとの付き合い方を考える年にしてみてはどうだろう。