中学・高校の教科書に必ず掲載されている「日比谷焼打ち事件」。この事件を機に大正デモクラシーが始まったというのが、いわば常識になっている。しかし、実は「大正デモクラシー」という言葉は、戦後になって造られた歴史用語である。当時の人々が「大正デモクラシーを始めるんだ!」と意図して焼打ちをしたわけではないのだ。「日比谷焼打ち事件」は、日本が軍国主義に至る流れを語る上で、極めて大きなターニングポイントである。どういう意味を持っているのかを、歴史研究家・河合敦さんの新刊『教科書の常識がくつがえる! 最新の日本史』(青春出版社)から抜粋して紹介する。
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