メタトレーダー4(MT4)は、世界的な人気を誇る高性能な取引ツールであり、FXを中心として、多くの投資家に愛用されてきた。
MT4を使ってFX取引を行った経験がある方の中には、仮想通貨取引でもMT4を使えないのだろうかと考えている方もおられるのではないだろうか。
そこで、今回はMT4について、その特徴や仮想通貨取引での使用の可否、MT4に代わる優れた取引ツールを提供する仮想通貨取引所などを紹介していく。
- メタトレーダー4(MT4)は、ロシアのメタクオーツ社が開発した取引ツール
- すべての機能を無料で使うことができる
- インジケーターによる値動きの分析や、エキスパートアドバイザーによる自動売買が可能
- 海外の仮想通貨取引所の中には、MT4を採用しているところもあるが、国内にはない
残念ながらMT4は、国内の仮想通貨取引所で使用することができないのだが、それに代わる高性能な取引ツールを提供しているところはいくつもある。
中でも、DMM Bitcoinの取引ツールは、PC版とスマホ・タブレットアプリ版のどちらも、MT4に劣らない豊富な分析指標や描画ツールが揃っている。
気になる方は、DMM Bitcoinの公式サイト(PR)にアクセスして、詳細をチェックしてみよう。
仮想通貨のMT4とは?
メタトレーダー4(MetaTrader4、以下MT4)は、2005年にロシアのメタクオーツ社がリリースした、さまざまな金融商品の値動きの分析や取引ができるソフトウェアだ。
FXやデリバティブ取引で主に使われているが、仮想通貨取引においても、海外の仮想通貨取引所の中にはMT4を取引ツールに採用しているところがある。
利用の際は、MT4を採用している仮想通貨取引所で口座を開設したのち、MT4をPCやスマートフォンにダウンロードして、仮想通貨取引所が提供するサーバーにログインする必要がある。
なお、本記事執筆時点(2023年4月下旬)では、国内の仮想通貨取引所でMT4を取引ツールに採用しているところは存在しない。
以前は、国内取引所のビットポイントで提供していたが、現在は使えない状況となっている。
MT4の特徴
仮想通貨取引のみならず、さまざまな金融商品の取引に用いられているMT4には、主に次のような特徴がある。
- さまざまなインジケーターを使って値動きを分析できる
- エキスパートアドバイザーを使って自動売買ができる
- 無料で利用できる
さまざまなインジケーターを使って値動きを分析できる
インジケーターとは、チャートでの相場分析をサポートしてくれるツールのことだ。
投資の世界には古くから、移動平均線やMACDなどのさまざまな分析指標が存在するが、MT4ではその多くがインジケーターとなっており、デフォルトで搭載されている。
そんなインジケーターは、MQL4というプログラミング言語を用いて自作できるほか、第三者が作成したインジケーターを取り込んで使うことも可能だ。
エキスパートアドバイザーを使って自動売買ができる
エキスパートアドバイザー(以下EA)は、MT4上で使うことができる自動売買のプログラムである。
インジケーターと同じく、MQL4を用いて自作することが可能で、MT4上で稼働させると、自身が思い描く投資をプログラムに則って自動的に実行してくれる。
さらに、第三者が作成したEAを使うこともでき、優れた運用実績を持つEAを入手して稼働させれば、自身もそのパフォーマンスを容易に再現できる。
無料で利用できる
MT4以外で、汎用性のある高性能なツールとして有名なのは。TradingViewだ。TradingViewの場合、有料プランと無料プランがあり、無料プランだと利用できる機能が限られてしまう。
一方でMT4なら、インジケーターや描画ツール、アラート機能やMQL4によるプログラミング機能など、すべてのツールと機能を無料で使うことができる。
もちろん、PCやスマホにダウンロードする際、ソフトやアプリの購入代金を支払う必要もない。
取引ツールがおすすめの仮想通貨取引所
最初に述べたとおり、国内の仮想通貨取引所にはMT4を取引ツールに採用しているところはない。
しかし、MT4に劣らない、優れた取引ツールを用意している仮想通貨取引所はいくつかある。今回はその中から、以下の4社をピックアップして、それぞれ特徴を紹介していく。
DMM Bitcoin
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・BitMatch注文) レバレッジ取引(販売所・BitMatch注文) |
取り扱う仮想通貨 | 27種類 BTC、ETH、XRP、LINK、MKR、 AVAX、CHZ、TRX、ZPG、LTC、 BCH、XLM、ETC、OMG、ENJ、 BAT、MONA、ADA*、DOT*、IOST*、 XTZ*、XEM*、QTUM*、XYM*など *レバレッジ取引のみの取り扱い |
仮想通貨の送金手数料 | 無料* *BTC、ETH、XRP以外の入出金には非対応 |
その他のサービス | IEO |
公式サイト | DMM Bitcoinの公式サイト(PR) |
関連記事 | DMM Bitcoinの評判・口コミ |
DMM Bitcoinは、国内最多の25種類もの仮想通貨でレバレッジ取引ができる、レバレッジ取引に長けた仮想通貨取引所だ。
取引ツールはPC版とスマホ・タブレットアプリ版があり、どちらも豊富な分析指標や描画ツールを備えている。
PC版、スマホ・タブレットアプリ版のいずれにもユニークな特徴があり、PC版ではチャートや注文用パネルなどのレイアウトを自分好みにカスタマイズすることができる。
そして、アプリ版は、シンプルで直感的に操作できる「STモード」と、PC版並みの分析指標や描画ツールを使える「EXモード」を自在に切り替えられるようになっていて、初心者からベテランまで幅広い層に支持されている。
bitFlyer
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 21種類 BTC、ETH、ETC、LTC、BCH、 MONA、LSK、XRP、BAT、XEM、 XLM、XTZ、DOT、LINK、XYM、 MATIC、MKR、ZPG、FLR、PLT SHIB |
仮想通貨の送金手数料 | 通貨ごとで異なる |
その他のサービス | ステーキングリワードサービス(一時停止中) かんたん積立 ビットコインをもらう bitFlyerクレカ ビットコイン寄付 友達招待プログラム Tポイント交換サービス bitWire(β) |
公式サイト | bitFlyer公式サイト |
関連記事 | bitFlyerの評判・口コミ |
bitFlyerは、国内屈指の人気を誇る仮想通貨取引所で、ビットコインの取引高では6年連続で日本一*に輝いている。*Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016 年 〜 2021 年の年間出来高(差金決済 /先物取引を含む)
取引ツールはPCブラウザ版とスマホ・タブレットアプリ版があり、まずアプリ版は、値動きを細かく分析できるような機能は備わっていないが、初心者でも簡単に扱えるようになっている。
PCブラウザ版も、基本的にはスマホアプリ版と同様にシンプルな構成で、だれでも直感的に操作することが可能だ。
また、PCブラウザ版には別途、「取引所形式*」の取引に特化した「bitFlyer Lightning」が用意されている。*仮想通貨のユーザー同士で取引をおこなう取引形式
bitFlyer Lightningのチャートにはさまざまな分析指標を備わっていて、細かな分析をしながら仮想通貨取引を楽しむことができる。
GMOコイン
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 24種類 BTC、ETH、BCH、LTC、XRP、 XEM、XLM、BAT、OMG、XTZ、 QTUM、ENJ、DOT、ATOM、XYM、 MONA、ADA、MKR、DAI、LINK、 FCR、DOGE、SOL、ASTR |
仮想通貨の送金手数料 | 無料 |
その他のサービス | つみたて暗号資産 貸暗号資産 ステーキング IEO API |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
関連記事 | GMOコインの評判・口コミ |
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループに属している仮想通貨取引所だ。
取引ツールは、PC用とスマホ・タブレット用がそれぞれ用意されている。
先にアプリ版の取引ツールを見ていくと、先ほど紹介したDMM Bitcoinのように、初心者でも使いやすい「ノーマルモード」と、高機能なチャートで値動きの分析ができる「トレーダーモード」を自由に切り替えられるようになっている。
そして、PC版の取引ツールの最大の特徴は、高性能チャートの「TradingView」を採用していることだ。
TradingViewは、アメリカのシカゴに本社を置くTradingView Inc.が運営している人気のチャートツールだ。PC版の取引ツールはそれを採用することにより、81種類のインジケーターと70種類以上の描画機能の使用が可能になっている。
LINE BITMAX
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所) 信用取引(販売所) |
取り扱う仮想通貨 | 7種類 BTC、ETH、XRP、BCH、LTC、LN、XLM |
仮想通貨の送金手数料 | 通貨ごとで異なる |
その他のサービス | 暗号資産貸し出しサービス マネーフォワードME連携機能 |
公式サイト | LINE BITMAX公式サイト |
関連記事 | LINE BITMAXの評判・口コミ |
LINE BITMAXは、メッセンジャーアプリのLINEを手がけるLINEグループ傘下の仮想通貨取引所で、「かんたん・あんしん・やさしいを、すべての人に」をキャッチコピーとして掲げている。
その言葉どおり、専用のアプリを用意せずとも、LINEアプリ内で簡単に口座開設から取引までできるようになっており、取引ツールは初心者にもやさしいシンプルな構成になっている。
また、ユーザーの仮想通貨は100%、オフラインの状態で管理されるため、安心して利用できる。
MT4のように多彩な機能は備わっていないが、はじめて仮想通貨取引にチャレンジする方にはうってつけと言えるだろう。
仮想通貨のMT4に関するよくある質問
- MT4とMT5にはどのような違いがあるのか?
-
メタトレーダー5(MT5)は、MT4の開発元であるメタクオーツ社が2009年にリリースした、MT4の後継バージョンだ。
MT5の登場からすでに10年以上が経過しているのだが、いまだに多くのFX業者や仮想通貨取引所では、MT5ではなくMT4の方が取引ツールに採用されている。
MT5の普及があまり進んでいない要因の1つは、MT4とMT5に互換性がないことだ。
先ほど紹介したように、MT4では、プログラミング言語のMQL4を使って、自由にインジケーターやEAの開発が可能で、ネット上には数多くの優秀なインジケーターやEAがあふれている。
しかし、後継のMT5は、MQL4で書かれたインジケーターやEAとの互換性がなく、MT4からMT5に乗り換えると過去の優秀なインジケーターが使えなくなってしまうため、遅々として普及が進まなかった。
ちなみに、動作スピードなどのスペック面では、当然ながらMT4よりも後継のMT5の方がはるかに優秀だ。
- MT4はどうすれば入手できるか?
-
MT4には、PC版とスマホ・タブレットアプリ版の2種類がある。
まずPC版は、MT4を取引ツールに採用している海外の仮想通貨取引所のサイトから、ダウンロードすることができる。
最初に述べたとおり、利用する際は、MT4を採用しているの仮想通貨取引所で口座を開設したのち、仮想通貨取引所が提供するサーバーにログインする必要がある。
一方でアプリ版は、AndroidユーザーならGoogle Playのストアからダウンロードすることができる。
なお、iOS用のアプリを扱うApp Storeでは、2022年9月から2023年3月まで、MT4をダウンロードすることができなくなっていた。
メタクオーツ社がロシアの企業であるため、“MT4の配信停止は、ロシア・ウクライナ間の戦争に対する制裁の一環なのではないか”といったさまざまな憶測が飛び交ったが、その原因は、Apple社が定める要件をアプリが満たしていなかったことにあったようだ。
- FX業者が提供しているMT4で、仮想通貨の値動きを分析することは可能か?
-
MT4を採用している日本の仮想通貨取引所は、今のところ存在しない。
一方で、FX業者やネット証券では、国内の業者でもMT4を採用しているところがいくつもある。
そこで、MT4に興味がある方の中には、例えば国内のFX業者からMT4をダウンロードすれば、仮想通貨の取引はできなくても、分析用としてはMT4を使えるのではないかと考える方が一定数おられることだろう。
しかし、残念ながら、FX業者が提供するMT4で仮想通貨の値動きの分析をおこなうことはできない。
なぜなら、MT4に表示されるチャートのデータは、MT4を採用している業者のサーバーからダウンロードされるためだ。
前述のとおり、MT4を利用する際には、仮想通貨取引所やFX業者がそれぞれ用意しているサーバーに接続する必要があるのだが、FX業者のサーバーにはもちろん、仮想通貨のチャートのデータは存在しない。
したがって、FX業者からMT4だけを入手しても、そこに仮想通貨のチャートが表示されることはなく、分析することも叶わない。
仮想通貨のMT4まとめ
今回はMT4の特徴や、MT4に代わる優れた取引ツールを提供する仮想通貨取引所などを紹介した。
- メタトレーダー4(MT4)は、2005年にロシアのメタクオーツ社が開発した取引ツール
- MT4では、さまざまなインジケーターを使って仮想通貨などの金融商品の値動きを分析できる
- エキスパートアドバイザーを使った自動売買も可能
- 国内の仮想通貨取引所で、取引ツールにMT4を採用しているところは存在しない
MT4は残念ながら、国内の仮想通貨取引所では利用することができない。
海外の仮想通貨取引所の中には、MT4を採用しているところがいくつかあるが、日本人に対してもサービスを提供している海外取引所は、いずれも日本の法律に基づいた事業者登録をおこなっておらず、サービスを提供すること自体が法に反している。
そのため、いくらMT4を使ってみたくても、海外取引所を利用することはあまりおすすめしない。
なお、今回取り上げたDMM Bitcoinの取引ツールなら、MT4にも劣らない分析指標や描画ツールが豊富に揃っている。
興味がある方はぜひ、DMM Bitcoinの公式サイト(PR)にアクセスして、取引ツールの機能詳細を自分の目で確かめてみるとよいだろう。