今回取り上げる「空売り(ショート)」は、仮想通貨(暗号資産)に限らず、株式などへの投資においても、信用取引で用いられているポピュラーな注文方法の1つだ。
しかし、投資初心者の中には、空売りがどういったものなのか、正しく把握できていない方もおられることだろう。
そこで今回は、そうした初心者の方に向けて、空売りのメリット・デメリットや、空売りのやり方などを解説していく。
- 仮想通貨の空売りとは、レバレッジ取引で証拠金を担保にして、売りから取引を始めることを指す
- 現物取引で空売りをおこなうことはできない
- レバレッジ取引で空売りをおこなうと、下落相場でも売買差益を狙える
- 国内の仮想通貨取引所が提供するレバレッジ取引では、最大2倍までレバレッジをかけられる
- レバレッジ手数料がかかるため、仮想通貨での空売りは、長期投資に向かない
レバレッジ取引のサービスを手がける仮想通貨取引所は国内にいくつかあるが、その中でもDMM Bitcoinでは、国内No.1となる25種類もの仮想通貨がラインナップされている。
レバレッジ取引、および空売りに興味がある方は、DMM Bitcoinことも合わせてチェックしておくとよいだろう。
仮想通貨/ビットコインの空売り(ショート)とは?
仮想通貨の空売り(ショート)とは、仮想通貨のレバレッジ取引で、投資資金(証拠金)を担保にして、”実際には所有していない”仮想通貨の売り注文を出すことを指し、「高い価格水準で売り、より安くなったところを買い戻す」という形で、売買差益を狙う。
空売りは、投資業界の専門用語で「ショート」と呼ぶこともあり、その逆にレバレッジ取引などで買いの注文をすることを「ロング」と呼ぶ。
また、レバレッジ取引などで、注文後に未決済の状態となっている契約のことを「ポジション」または「建玉」と呼び、空売りすることを「売り(ショート)ポジションを建てる」や「売り(ショート)ポジションを持つ」などと表現することもある。
仮想通貨の空売り(ショート)のメリット
仮想通貨のレバレッジ取引における空売りには、主に次のようなメリットがある。
- 下落相場でも利益を狙える
- レバレッジを使って資金効率を上げられる
- リスクヘッジ・リスク分散につながり得る
下落相場でも利益を狙える
現物取引でできるのは、現物の仮想通貨の購入と、購入済みである現物の仮想通貨の売却のみだ。
つまり、現物取引では買った仮想通貨が値上がりしてくれないと、売却した際に差益を得られない。
一方で、レバレッジ取引の空売りは、証拠金を担保に、実際には所有していない仮想通貨の売り注文を出して(売りポジションを建てて)、下落相場の中で売買差益を狙うことができる。
レバレッジ取引ではもちろん、現物取引のように買い注文から取引を始めることも可能であり、現物取引よりも取引のチャンスが多いと言えるだろう。
レバレッジを使って資金効率を上げられる
これは、空売り(ショート)だけでなく、買い(ロング)の取引にも言えることだが、仮想通貨のレバレッジ取引では、現物取引と違い、その名のとおり“レバレッジ”をかけることができる。
レバレッジとは、自身の投資資金(証拠金)を担保にお金を借り受けて、自己資金よりも大きな金額での取引ができる仕組みのことだ。
国内の仮想通貨取引所が提供するレバレッジ取引では、いずれもレバレッジ倍率が最大2倍に設定されている。
つまり、最大で自己資金の2倍の金額を使って、仮想通貨に投資することができるということだ。
例えば、実際に2倍のレバレッジをかけた取引をして、売買差益が発生したとすると、当然そのリターンも、同じ元手で現物取引をおこなった場合の2倍になる。
リスクヘッジ・リスク分散につながり得る
空売りは、現物取引で保有する仮想通貨、もしくはレバレッジ取引での買いポジションの、値下がりリスク低減に活用することもできる。
例えば、現物取引において、1BTCあたり200万円のときに0.1BTCを購入、保有していたとしよう。
その後、ビットコインが値下がりして100万円/BTCとなった場合、現物のビットコインでは10万円分(【100万円-200万円】×0.1)の含み損を抱えることになる。
しかし、レバレッジ取引でもビットコインの売りのポジションを別途保有していれば、そちらでは逆に含み益が発生するので、両者を相殺させて損失を抑える、もしくはポジションの数量や売買のタイミング次第では、損益をプラスにすることもできる。
仮想通貨の空売り(ショート)のデメリット
一方で、空売りには次のようなデメリットも存在する。
- レバレッジの使い方次第で、損失のリスクも上がる
- ポジションの維持コストがかかる
- 含み損が膨らむとロスカットされる場合がある
レバレッジの使い方次第で、損失のリスクも上がる
先ほど、空売りのメリットを紹介する中で、レバレッジをかければ資金効率が上がり、例えば2倍のレバレッジをかけた状態だと、得られる売買差益も同じ元手で現物取引をおこなった場合の2倍になると述べた。
ただ、これは損失についても同様だ。2倍のレバレッジをかけた状態で取引をして、売買差損が発生すると、その損失額も倍になってしまう。
ポジションの維持コストがかかる
現物取引で購入した仮想通貨を保有し続ける場合、仮想通貨取引所側から、その仮想通貨の管理コストを求められることはない。
一方で、空売りに限らず、仮想通貨のレバレッジ取引では、大半の仮想通貨取引所でポジションの維持コスト(レバレッジ手数料という)を徴収される。
レバレッジ手数料の利率は、例えばDMM Bitcoinなら1日あたり0.04%だ。ポジションを翌日に持ち越すたびに毎日、ポジション金額*×0.04%分のレバレッジ手数料が発生する。*前日終値の仲値×ポジション数量
また、積み重なったレバレッジ手数料は、ポジションを決済したタイミングでまとめて、証拠金残高から差し引かれる。
含み損が膨らむとロスカットされる場合がある
空売りに限らず、レバレッジ取引では、レバレッジをかけて証拠金以上の金額での取引ができるため、もしも何の制限もされていなければ、含み損が証拠金を上回って、資産がマイナスになってしまうことも考えられる。
そうした事態は投資家にとっても、証拠金を担保に資金を提供する仮想通貨取引所側にとっても望ましくないため、レバレッジ取引ではロスカット(ポジションの強制決済)のルールが設定されている。
ロスカットの発動水準は、仮想通貨取引所ごとで異なる。例えばDMM Bitcoinでは、含み損が大きくなって証拠金維持率が50%を下回ったときにロスカットが執行される。
現物取引では、もし含み損が膨らんでも、将来的な値上がりを期待して塩漬けしてしまうという選択肢も取れるが、ロスカットがあることやポジションの維持コストがかかることから、空売りではそうした戦略の選択は難しい。
仮想通貨の空売り(ショート)で収益を狙う方法
続いて、仮想通貨の空売り(ショート)で収益を狙う方法を紹介していく。
仮想通貨の空売り(ショート)も活用して、リスク管理や利益を狙う際に活かしたい方は、以下を参考にしてみてほしい。
下落/弱気相場で収益を狙う
空売りは、仮想通貨の下落/弱気相場で収益を狙う際に最適な取引方法だ。
2024年現在はビットコインを含む仮想通貨市場全体での上昇となっているが、2022年~2023年は長期的に下落傾向が続いていた。
2021年後半に700万円台を突破したビットコインは、2023年の初めに200万円台までの大幅下落を記録している。
仮想通貨市場は幾度となく下落相場を経験してきたが、空売り(ショート)でポジションを保有しておけば利益が出た相場であったと言えるだろう。
仮想通貨は為替や商品CFDに比べてボラティリティが高い銘柄であるため、他の金融銘柄に比べて見込める利益も大きい。
明確に下落相場を見極めるのは難しいが、いつ下落してもいいように空売り(ショート)の準備をしておくと良いだろう。
価格高騰後の調整局面で収益を狙う
仮想通貨を含む多くの金融商品は、価格が高騰後に一時的な下落を見せる事が多い。以下は、2024年4月までを示した直近のDOGE/USDTのチャートだ。
大きく見ると上昇トレンドが形成されていると判断できるが、赤い矢印部分のように2度の急騰後は一時的な下落を見せていることが分かる。
仮想通貨の買いが集中し高騰が見られると、多くの投資家が利益確定の決済が入る影響で一時的な下落が発生しやすい。
高騰後の調整相場(上昇過程での押し目)とも呼ばれているが、高騰後を狙って空売り(ショート)のポジションを保有することで、一時的な下落時でも利益が狙えるだろう。
しかし、調整相場の出現はあくまでも傾向であり100%訪れるものではない。調整時の下落幅が小さい、またはすぐに上昇トレンドが再開する可能性もあるので、こちらも見極めに注意して取引する必要がある。
仮想通貨の空売り(ショート)のやり方
続いては、DMM Bitcoinを例にして、レバレッジ取引でビットコインの空売りをする方法を紹介していく。
- 仮想通貨取引所(DMM Bitcoin)で口座を開設する
- 口座に投資資金を入金する
- ビットコインの値動きを分析する
- 数量を決めて売り注文を入れる
DMM Bitcoinで口座を開設する
まずはDMM Bitcoin公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
DMM Bitcoinの口座開設手順は以下のとおりだ。本人確認手続きを「スマホでスピード本人確認」でおこなった場合は、最短1時間で取引を始められる。
- メールアドレスの登録
- 基本情報の入力
- 本人確認(「スマホでスピード本人確認」または「本人確認書類アップロード」)
口座開設の詳しい流れについては、以下の記事で画像を交えながら解説しているので、DMM Bitcoinに興味がある方はそちらも参考にしてみてほしい。
投資資金を口座に入金する
口座開設が完了したら、次はその口座にレバレッジ取引の証拠金となる資金を入金しよう。
DMM Bitcoinでの入金方法は、インターネットバンキングを利用した「クイック入金」と、銀行窓口やATMなどを使って振り込む「振込入金」の2種類がある。
どちらを利用しても問題はないが、コストをより安く抑えたい場合は、クイック入金を選択するとよいだろう。
振込入金 | クイック入金 | |
---|---|---|
受付時間 | 24時間365日 | 24時間365日 |
手数料 | 無料 (振込手数料は自己負担) |
無料 |
最低入金額 | 制限なし | 5,000円以上 |
最高入金額 | 制限なし | 1億円未満 |
所要時間 | 順次反映 | 即時反映 |
ビットコインの値動きを分析する
ビットコインを含め、仮想通貨は他の金融商品と比べて価格変動が大きい傾向がある。
さらに、レバレッジ取引の場合、先ほどデメリットの中でも述べたように、レバレッジのかけ方次第で価格変動による損失リスクがより大きくなる。
そのため、投資資金を入金して取引を始める準備が整っても、まずは落ち着いて取引ツールのチャート機能を使い、値動きをよく分析しよう。
DMM Bitcoinの取引ツールなら、アプリ版・PC版ともに多彩な描画ツールやテクニカル分析指標を使って、値動きの詳細な分析が可能だ。
数量を決めて売り注文を入れる
値動きをよく分析して、取引のタイミングを見定めたら、いよいよビットコインの空売りをしてみよう。
ストリーミング(成行)注文で空売りをするなら、BTC/JPYの通貨ペアで売買方向を「売り」に設定し、注文数量と許容スリッページを決めて、注文を入れよう。
また、DMM Bitcoinならストリーミング注文の他にも、以下のような注文方法を使って取引をすることができる。
ストリーミング注文/指値注文/逆指値注文/OCO/IFD/IFO/BitMatch注文/一括決済/クイック決済
以上、DMM Bitcoinを例にしてビットコインの空売りをする方法を紹介したが、基本的には売買方向が異なるだけで、取引の流れは現物取引で仮想通貨を買う場合と大差はない。
レバレッジ取引での空売りにチャレンジしてみたい方は、この機会にDMM Bitcoin(PR)の利用を検討してみてはいかがだろうか。
空売り(ショート)におすすめの仮想通貨取引所
ここで、レバレッジ取引のサービスを提供している国内の仮想通貨取引所の中から、おすすめのものを3社ピックアップして紹介しておこう。
DMM Bitcoin
提供する取引のサービス | 現物取引(販売所・BitMatch注文) レバレッジ取引(販売所・BitMatch注文) |
レバレッジ取引の取り扱い通貨 | 38種類 BTC、ETH、XRP、LINK、MKR、 AVAX、CHZ、TRX、ZPG、LTC、 BCH、XLM、ETC、ENJ、FLR、NIDT、 SAND、ALGO、AXS、OMG、APE、 FCR、HBAR、OAS、SHIB、 BAT、MONA、MATIC、ADA*、DOT*、 IOST*、XTZ*、XEM*、QTUM*、XYM*、 SOL*、ATOM*、DOGE* *レバレッジ取引のみの取り扱い |
レバレッジ取引の最小取引数量 (ビットコインの場合) |
販売所:0.01BTC BitMatch注文:0.1BTC |
レバレッジ取引の取引手数料 (ビットコインの場合) |
販売所:無料、スプレッドあり BitMatch注文:0.01BTCあたり36円 |
レバレッジ倍率 | 最大2倍 |
レバレッジ手数料 | ポジション金額×0.04%/日 |
追加証拠金制度 | あり(証拠金維持率<100%が対象) |
ロスカット水準 | 証拠金維持率≦50% |
公式サイト | DMM Bitcoinの公式サイト(PR) |
関連記事 | DMM Bitcoinの評判 |
DMM Bitcoinは、レバレッジ取引に対して特に力を入れている仮想通貨取引所で、国内No.1となる34種類もの仮想通貨がレバレッジ取引でラインナップされている。
ユニークな特徴として、保有している現物の仮想通貨を証拠金として使えるようになっている。売却して日本円に換えることなく、そのままの状態でレバレッジ取引の証拠金に充てることが可能だ。
また、DMM Bitcoinは、豊富な機能を備えた高性能な取引ツールの評判が良い。
特に、スマホアプリ版の取引ツールは、シンプルな画面で直感的に操作できる「STモード」と、PC版に負けない描画ツールや分析指標を使える「EXモード」を自在に切り替えられることから、初心者からベテランまで幅広い層に支持されている。
GMOコイン
提供する取引のサービス | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(販売所・取引所) |
レバレッジ取引の取り扱い通貨 | 8種類 BTC、ETH、BCH、XRP、 XLM、BAT、XTZ、LTC |
レバレッジ取引の最小取引数量 (ビットコインの場合) |
販売所:0.01 BTC 取引所:0.01 BTC |
レバレッジ取引の取引手数料 (ビットコインの場合) |
販売所:無料、スプレッドあり 取引所:無料 |
レバレッジ倍率 | 最大2倍 |
レバレッジ手数料 | ポジション金額×0.04%/日 |
追加証拠金制度 | あり(証拠金維持率<100%が対象) |
ロスカット水準 | 販売所:証拠金維持率<75% 取引所:建玉単位のロスカットと、口座単位のロスカットを併用 |
公式サイト | GMOコイン公式サイト |
関連記事 | GMOコインの評判・口コミ |
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループ傘下の仮想通貨取引所だ。
国内の仮想通貨取引所が提供するレバレッジ取引の取引形式は、仮想通貨取引所とユーザーの間で取引をする「販売所」のみとなっているケースが多い。
しかし、GMOコインの場合は「販売所」だけでなく、ユーザー同士で取引できる「取引所」のサービスもあり、この2つから自分の方針に合ったものを選べるようになっている。
販売所を利用する場合は、GMOコインが提示する価格で手軽に取引をすることができ、取引所では、販売所と比べて仕組みはやや難解になるが、取引コストは販売所よりも安く抑えられる。
トレイダーズ証券
運営会社 | トレイダーズ証券株式会社 (トレイダーズホールディングス株式会社の完全子会社) |
提供する取引形式 | レバレッジ取引 |
5種類(2024年4月時点) BTC/JPY ETH/JPY XRP/JPY LTC/JPY BCH/JPY |
|
最小取引数量 | BTC/JPY:0.001BTC ETH/JPY:0.01ETH |
レバレッジ取引の最大倍率 | 2倍 |
ロスカットについて | 口座内の証拠金維持率が100%未満の際、 100%を上回るまで古い建玉から順次強制決済を行う |
公式サイト | みんなのコイン公式サイト |
関連記事 | みんなのコインの評判 |
トレイダーズ証券は、LIGHt FXやみんなのFXといったFX業界で豊富な実績を誇る証券会社だ。
同社の提供するみんなのコインは、仮想通貨CFDを専門に扱っており、高機能な分析ツールを使った取引ができる。
ビットコインを含む5種類の通貨を扱っており、空売りでポジションを保有することで、相場の下落局面や調整相場でも利益が見込める。
また、最大で2倍のレバレッジがかけられるため、取引時のリスクが大きくなる反面、少額でも高い利益を狙うことが可能だ。
マネーパートナーズ(まいにち暗号資産)
名称 | まいにち暗号資産 |
運営会社 | 株式会社マネーパートナーズ |
提供する取引形式 | レバレッジ取引 |
取り扱い銘柄数 | 4種類(2024年4月現在) ビットコイン/円(BTC/JPY) イーサリアム/円(ETH/JPY) ライトコイン/円(LTC/JPY) ビットコインキャッシュ/円(BCH/JPY) |
最小取引数量 |
BTC/JPY:0.001 ETH/JPY:0.01 LTC/JPY:0.01 BCH/JPY:0.01 |
レバレッジ取引の最大倍率 | 2倍 |
レバレッジ取引のロスカット基準 | 証拠金維持率100% |
公式サイト | マネーパートナーズ公式サイト |
関連記事 | マネーパートナーズの評判 |
まいにち暗号資産は、主にFX(外国為替証拠金取引)を取り扱うマネーパートナーズが提供している暗号資産CFDのサービスだ。
4種類の通貨を扱っており、すべて現物ではなくCFD取引に対応している。
ビットコインの場合は0.001BTC(約1万円)からの少額取引が可能で、レバレッジをかけることで最低5,000円程度の資金から取引が始められる。
買いだけではなく、売りでのポジション保有もできるので、仮想通貨価格が下落する場面でも利益を狙うことが可能だ。
マネーパートナーズでは仮想通貨だけではなく、外国為替や商品CFDなどの幅広い銘柄も扱っているので、取引の幅を広げたい方に最適と言えるだろう。
仮想通貨の空売り(ショート)の注意点
最後に、仮想通貨のレバレッジ取引で空売りをおこなう上で、注意しておきたいポイントを3つ紹介しておく。
- リスクを取り過ぎないこと
- 損切りを適切におこなうこと
- 確定申告の際の取り扱いに注意すること
リスクを取り過ぎないこと
先ほどデメリットで挙げたように、空売りに限らずレバレッジ取引では、レバレッジをかけることで大きなリターンを狙える一方、大きな損失を被るリスクも伴う。
そのため、自身のリスク許容度をよく見極めた上で、それを超えるようなレバレッジのかけ方をすることのないよう、注意しなければならない。
また、これはあらゆる投資に共通して言える初歩的なことだが、レバレッジ取引においても、功を焦って余剰資金(生活に影響を与えない資金)以外のお金をつぎ込むことはご法度だ。
損切りを適切におこなうこと
前述のとおり、レバレッジ取引ではポジションを持ち越すとレバレッジ手数料がかかり、含み損が膨らみ過ぎるとロスカットされることもあるため、基本的に長期投資には不向きだ。
長期投資も不可能なわけではないが、その性質上、レバレッジをある程度かけて資金効率を上げ、短期間での売買を繰り返しながら複利で運用する戦略の方が、レバレッジ取引には合っている。
短期投資を繰り返す戦略を取る場合は、想定外の値動きとなったときの損切りのルールを、あらかじめ組み込んでいた方がよいだろう。
確定申告の際の取り扱いに注意すること
仮想通貨のレバレッジ取引で、一定以上の利益が出た場合は、確定申告と納税をすることになるのだが、その際の取り扱いで注意しておくべきポイントが2つある。
まず1つ目は、所得の分類についてだ。
レバレッジ取引の中でも、FX(法定通貨の信用取引)や商品CFDで得た利益(所得)などは、「先物取引にかかる雑所得」に分類され、申告分離課税の対象となる。
ところが、仮想通貨のレバレッジ取引で得た所得は、仮想通貨の現物取引で得た所得と同じく「雑所得」に分類され、総合課税の対象となるので、この分類を間違えないように注意しておかなければならない。
ポイントの2つ目は、損失の繰り越し控除ができない点だ。
例えば、FXで損失が出た場合は、確定申告をしておくことで、翌年以降3年に渡って損失額の繰り越しが可能で、利益が出た年には、過去の損失分を所得から控除することができる。
一方で、仮想通貨取引(レバレッジ取引・現物取引とも)の損失は、繰り越して翌年以降の利益と相殺することができない。
したがって、仮想通貨のレバレッジ取引をおこない、他の雑所得*との損益通算をした上で赤字だった場合は、そのことをわざわざ申告する必要はない。*先物取引にかかる雑所得は除く
仮想通貨の空売り(ショート)に関するよくある質問
- ビットコインの空売りができる取引所はどこですか?
-
ビットコインの空売りはDMM Bitcoin、bitFlyer、GMOコインなどレバレッジ取引が提供されている仮想通貨取引所ですることが可能だ。取引所の中でも現物取引しか提供されていない場合があるため、口座開設をする前にどのようなサービスが提供されているのか確認しておこう。
- 仮想通貨の空売りのデメリットはなんですか?
-
仮想通貨の空売りのデメリットは、上昇相場の時に損失が出てしまうこと、ロスカットされてしまう可能性が考えられる。仮想通貨市場が上昇している場合、空売りしている投資家はどんどん損失が拡大してしまうだろう。その結果、自分のポジションがロスカットされ資金を大きく失う可能性もある。
しかし、下落相場でも利益を狙えることや、現物と同数の空売りのポジションを保有することで相場の行方が不透明な相場で自分の資金の増減を無くすことができるメリットもある。
仮想通貨の空売り(ショート)のまとめ
今回は、仮想通貨のレバレッジ取引における空売りについて、メリット・デメリットや、空売りをする方法などを解説した。
- 仮想通貨の空売りとは、レバレッジ取引で、売りから取引をおこなうことを指す
- レバレッジ取引で空売りをおこなうと、下落相場でも売買差益を狙える
- レバレッジ取引の名のとおり、最大2倍までレバレッジをかけて、資金効率を上げられる
- ポジションを保有していると、日を跨ぐごとに維持コストがかかるため、長期投資には不向き
- 資金効率を上げて大きなリターンを狙うことができる一方、損失のリスクも大きくなり得るため、リスク管理に注意が必要
仮想通貨のレバレッジ取引では、証拠金を担保にして資金効率を上げられるほか、空売りによって、現物取引よりも多くの取引のチャンスを得られる。
この記事を通して、レバレッジ取引および空売りに興味を持った方は、リスクの取り方に注意しながら、実際にチャレンジしてみてはいかがだろうか。
レバレッジ取引を提供する仮想通貨取引所は国内にいくつかあるが、DMM Bitcoinなら、国内最多となる34種類もの仮想通貨を使って、レバレッジ取引を楽しむことができる。
まだ口座をお持ちでないなら、ぜひDMM Bitcoinの公式サイトも、この機会にチェックしてみてほしい。