イーサリアムクラシックは、2016年7月にイーサリアムから分岐して生まれた仮想通貨(暗号資産)で、時価総額ランキングの上位につける人気の通貨でもある。
国内の多くの仮想通貨取引所でも取り扱われており、日本人投資家にとっても馴染み深い存在だ。
今回はそんなイーサリアムクラシックについて、特徴やこれまでの価格推移、今後の見通しなどを解説していく。
- イーサリアムクラシックは、イーサリアムのハードフォーク(分岐を伴うアップデート)で生まれた仮想通貨
- 分岐元のイーサリアムと同等の機能を持ち、DApps(分散型アプリ)の開発プラットフォームとなっている
- IoT(Internet of Things)分野での活用も進めることで、イーサリアムとの差別化を狙っている
- イーサリアムはコンセンサス(合意形成)アルゴリズムを変更したが、イーサリアムクラシックはPoW(プルーフ・オブ・ワーク)を維持
- 仮想通貨市場全体が低迷する中、2021年中頃からイーサリアムクラシックも価格の下落が続いている
イーサリアムクラシックを取り扱う仮想通貨取引所は多いが、その中でもおすすめはCoincheckだ。
Coincheckでは操作性の高いスマホアプリから、少額500円ほどでイーサリアムクラシックの取引ができる。
興味がある方はCoincheck公式サイトにアクセスして、サービスの詳細を確認してみよう。
イーサリアムクラシック(ETC)とは
名称 | イーサリアムクラシック |
ティッカーシンボル | ETC |
発行上限枚数 | 約2億1,000万枚〜2億3,000万枚 |
コンセンサスアルゴリズム | PoW |
価格* | ¥2,679.61 |
時価総額ランキング* | 30位 |
取り扱いがある主な仮想通貨取引所 |
Coincheck bitFlyer |
イーサリアムクラシックは、DAppsの開発プラットフォームとなっているブロックチェーン、およびその基軸通貨である。
詳しい成り立ちは後述するが、2016年7月にイーサリアムのハードフォークによって誕生した。
基本的には、分岐元のイーサリアムと同等の機能を有しているが、イーサリアムに発行上限がないのに対し、イーサリアムクラシックには約2億1,000万枚〜2億3,000万枚までの発行上限が設定されており、流通量をコントロールするための減少期もある。
本記事執筆時点での時価総額ランキングは30位で、時価総額ランキング2位のイーサリアムには及ばないものの、高い需要を有する通貨の1つに数えられている。
イーサリアムクラシック(ETC)の特徴
イーサリアムクラシックの主な特徴は、以下のとおりだ。
- イーサリアムのハードフォークで誕生した
- IoT分野での活用を目指している
- コンセンサスアルゴリズムがPoWである
イーサリアムのハードフォークで誕生した
前述のとおり、イーサリアムクラシックは、2016年7月にイーサリアムのハードフォークによって誕生した。
このハードフォークは、ある事件が契機となって行われた。それは、ハードフォーク直前の2016年6月に起きた「The DAO事件」と呼ばれるハッキング事件だ。
The DAOは2016年6月当時、イーサリアム上にあった投資プラットフォームなのだが、そこでハッキングによるイーサリアムの大量流出が起きてしまう。
そのハッキングを受けて、イーサリアム財団とイーサリアムのコミュニティは、取引記録に変更を加えるアップデートをおこなうことで、The DAOでの流出事態をなかったことにする措置を取った。
しかし、運営側の意向で取引の内容を書き換えるという措置は、イーサリアムの取引の不変性と信用を損なう行為だとする反対意見もあり、コミュニティを二分することとなる。
その結果、2016年7月におこなわれたハードフォークにおいて、新バージョンとして生まれたブロックチェーンがイーサリアムとなる一方、旧バージョンのものには取引記録の変更に賛同しなかった者が残り、イーサリアムから名前を変えて「イーサリアムクラシック」となった。
こうした誕生の経緯から、イーサリアムクラシックは、“Code is Law(コードは法である)“を不変の哲学として重んじている。
IoT分野での活用を目指している
イーサリアムクラシックは、イーサリアムと同等の機能を有することから、主たる役割もイーサリアムと同じく、DAppsの開発プラットフォームとなっている。
ただ、イーサリアムクラシックの場合は、IoTの分野での活用も目指すことで、イーサリアムとの差別化を図ろうとしている。
IoTとは、家具・家電などさまざまなモノを、インターネット上のクラウドサービスに接続して、相互に情報の交換ができる仕組みのことだ。
IoTでは、個人情報を守るための高いセキュリティ性能が求められており、Code is Lawを掲げるイーサリアムクラシックは、その要求にマッチしている。
コンセンサスアルゴリズムがPoWである
イーサリアムクラシックは、取引などの情報をブロックチェーンに記録する(新しいブロックを生成する)ためのコンセンサスアルゴリズムに「PoW」を採用している。
PoWは、ビットコインなどにも用いられているコンセンサスアルゴリズムであり、不正な取引や改ざんに強いという特性を持つ。
ただ、膨大な量の計算を要することから、ブロックチェーンの需要が増え過ぎると、処理にかかる時間が長くなり、ネットワーク手数料(ガス代)も高騰するという難点も抱えている。
そこで、同じくPoWを用いていたイーサリアムでは、そのデメリットを解消するために、2022年9月に大型アップデートが実施され、コンセンサスアルゴリズムがPoWからPoS(プルーフ・オブ・ステーク)に移行された。
一方で、イーサリアムクラシックは、セキュリティ性能を重視して、PoWを維持し続けることを表明している。
イーサリアムクラシック(ETC)の価格動向
ここで、イーサリアムクラシックのこれまでの価格動向を確認しておこう。
過去約7年間の価格動向
まずは、2017年から本記事執筆時点(2024年11月)にかけての過去約7年間の値動きを、ETC/USDチャートで見てみよう。
イーサリアムクラシックは、2017年後半から2018年初頭にかけて起きた、いわゆる“ビットコインバブル”で大きく高騰したが、バブルが弾けると、2018年中頃から2020年の終わりまで長らく停滞が続いた。
2021年に入るとその流れが一転して、長らく更新できていなかった2017年バブル期の高値を大幅に更新している。
この高騰は、コロナ禍における各国の金融緩和政策によって、投資に回せるお金が生まれ、それが仮想通貨市場全体に流入したことに起因するものだ。
ところが、2021年5月を過ぎると今度は下落基調となり、本記事執筆時点では再び、2017年バブル期での高値を下回る水準で推移している。
直近の価格動向
続いて、2024年からの直近値動きを確認してみよう。
2024年2月からの価格動向を見ると、安値切り上がりの上昇トレンドを形成していたことが分かる。
これは、ETC単体での上昇ではなく、2024年1月に承認されたBTC現物ETFが影響しており、仮想通貨市場全体での上昇が影響した形だ。
3月後半からは徐々に下落過程にあるが、一時はイーサリアムの現物ETFが承認されことで再度反発していた。
今後はイーサリアムでの上昇も連動してくると考えられる。
イーサリアムクラシック(ETC)を購入できる取引所
イーサリアムクラシックを取り扱う仮想通貨取引所は多くあるが、今回はその中から2社をピックアップして紹介する。
Coincheck
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 31種類 BTC、XRP、ETH、BCH、XEM、 LSK、LTC、ETC、XLM、MONA、 QTUM、BAT、IOST、ENJ、OMG、 SAND、DOT、PLT、FNCT、CHZ LINK、DAI、IMX、APE、MATIC、 MKR、AXS、WBTC、SHIB、BRIL、BC |
最小取引数量 | 現物取引(販売所):500円相当額 現物取引(取引所):取り扱いなし |
取引手数料 | 現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):取り扱いなし |
その他のサービス | Coincheckつみたて Coincheck IEO Coincheck NFT(β版) Coincheckでんき Coincheckガス Coincheckアンケート 貸暗号資産サービス ステーキングサービス(β版) |
公式サイト | Coincheck公式サイト |
関連記事 | Coincheckの評判・口コミ |
Coincheckは、マネックス証券を中心とした金融グループ「マネックスグループ」傘下の仮想通貨取引所だ。
Coincheck は2018年にハッキングによる不正流出の被害に遭ったことがあるのだが、それを契機にマネックスグループに買収された。
マネックスグループの子会社となったあとは、グループが持つ高度な技術を用いて、強固なセキュリティ体制を構築し、安全な取引環境をユーザーに提供している。
取り扱う仮想通貨は31種類で、いずれもワンコイン(500円)から購入することができる。
また、シンプルで扱いやすい取引アプリが人気で、2019年から2021年にかけてダウンロード数No.1*を獲得している。*対象:国内の暗号資産取引アプリ、期間:2019年〜2021年、データ協力:AppTweak
bitFlyer
提供する取引の種類 | 現物取引(販売所・取引所) レバレッジ取引(取引所) |
取り扱う仮想通貨 | 33種類 |
最小取引数量 (イーサリアムクラシックの場合) |
現物取引(販売所):0.00000001ETC 現物取引(取引所):取り扱いなし レバレッジ取引(取引所):取り扱いなし |
取引手数料 (イーサリアムクラシックの場合) |
現物取引(販売所):無料、スプレッドあり 現物取引(取引所):取り扱いなし レバレッジ取引(取引所):取り扱いなし |
仮想通貨の送金手数料 (イーサリアムクラシックの場合) |
0.005ETC |
その他のサービス | ステーキングリワードサービス(一時停止中) かんたん積立 ビットコインをもらう bitFlyerクレカ ビットコイン寄付 友達招待プログラム Tポイント交換サービス bitWire(β) |
公式サイト | bitFlyer公式サイト |
関連記事 | bitFlyerの評判・口コミ |
bitFlyerは、国内で屈指の人気を誇る仮想通貨取引所で、ビットコインの取引高では6年連続日本一*に輝いている。*Bitcoin 日本語情報サイト調べ。国内暗号資産交換業者における 2016 年 〜 2021 年の年間出来高(差金決済 /先物取引を含む)
イーサリアムクラシックを含め、どの仮想通貨にも1円から投資できることが、人気を集める要因の1つとなっており、初心者でも気軽に、仮想通貨への投資にチャレンジすることができる。
取引単位も小さな値が設定されているので、懐事情に合わせた取引数量の細かな調整も容易だ。
また、bitFlyerでは、ビットコインが還元される「bitFlyerクレカ」や、Tポイントをビットコインに交換できるサービスなどがあり、そうした他社にはないユニークなサービスを使うためにbitFlyerを選ぶ方も多い。
イーサリアムクラシック(ETC)の購入方法
続いて、イーサリアムクラシックの購入方法を紹介しておこう。
ここでは、先ほど紹介したCoincheckを例として取り上げる。
- 仮想通貨取引所の口座を開設する
- 口座に購入資金を入金する
- 取引ツールで値動きを分析する
- 購入数量を決めて注文を入れる
仮想通貨取引所の口座を開設する
まずはCoincheck公式サイトにアクセスして、口座開設を申し込もう。
Coincheckでの口座開設手順は以下のとおりで、本人確認手続きは、スマホで自身の顔と本人確認書類を撮影アップロード形式で行える。
- メールアドレスを登録する
- 各種重要事項を確認する
- 電話番号認証をおこなう
- 個人情報を入力する
- 本人確認書類を提出する
なお口座開設の詳しい流れは、以下の記事において画像を交えながら解説しているので、Coincheckの利用を考えている方は、ぜひそちらも参考にしてみてほしい。
口座に購入資金を入金する
口座開設が完了したら、次はその口座にイーサリアムクラシックの購入資金を入金しよう。
Coincheckの場合、入金方法は銀行窓口やATMなどから振り込む振込入金と、インターネットバンキングを用いたクイック入金のコンビニ入金の3種類から選択可能だ。
自分が利用しやすい入金方法を利用して、購入資金を口座へ入金してみよう。
また、振込入金の場合、銀行などでの振込手数料を自分で負担しなければならないが、クイック入金なら手数料がかからないので、その点からもクイック入金の利用がおすすめだ。
取引ツールで値動きを分析する
購入資金を口座に振り込めば、購入のための準備は完了だ。
けれど、ここでいったん落ち着く必要がある。イーサリアムクラシックに限らず、仮想通貨はいずれも価格変動が大きい金融商品であり、闇雲に手を出すと、いわゆる“高値掴み”をしてしまう恐れがある。
そこで、準備が整っても、まずは落ち着いて取引ツールのチャート機能を使い、イーサリアムクラシックの値動きを分析しよう。
Coincheckの場合は、PC版・スマホアプリ版のどちらの取引ツールも、描画ツールやテクニカル分析指標が豊富に揃っているので、細かな分析をおこなうことが可能だ。
購入数量を決めて注文を入れる
値動きを確認して、取引のチャンスを見定めたら、いよいよイーサリアムクラシックを購入してみよう。
成行注文を利用する場合は、基本的には購入する数量を指定して、注文を出すだけでよい。
また成行注文以外に、指値注文や逆指値注文などの注文方法も揃っているので、それらを駆使してより有利な価格での購入を狙ってみるのもよいだろう。
以上、Coincheckを例にして、イーサリアムクラシックを購入する方法を紹介した。
Coincheckなら、オンラインで口座を開設することができ、高性能な取引ツールを使って、チェーンリンクの取引を楽しめる。
興味がある方は、ぜひこの機会にCoincheck公式サイトにアクセスしてサービスの詳細を確かめてみよう。
イーサリアムクラシック(ETC)の今後の見通し・将来性
最後に、イーサリアムクラシックの今後について考察してみよう。
- 仮想通貨市場全体の動向に合わせて、停滞が続く可能性がある
- マイニング需要の増加とハッシュレート(マイニングの処理速度)の上昇を期待されている
- DAppsの開発が活発におこなわれている
仮想通貨市場全体の動向に合わせて、停滞が続く可能性がある
先ほど紹介したとおり、イーサリアムクラシックは2021年5月以降、価格の下落が続いた。
これは、世界経済の影響を受けて仮想通貨市場全体が低迷していることに起因している。その証左として、イーサリアムクラシックに限らず、ビットコインやイーサリアムなど主要な銘柄はいずれも似たような状況にある。
特に2022年に入ってからインフレが深刻化しており、各国政府はそれを抑え込むために金利の引き上げを継続的におこなっている。
金利を引き上げれば、お金の巡りが鈍るだけでなく、法定通貨や国債などを保有するだけで十分に利息を得られるようになるため、わざわざ大きな価格変動リスクを伴う仮想通貨に投資するメリットが薄れてしまうのだ。
例えば、米国は少なくとも2024年後半にようやく、政策金利の引き下げを実施する見込みとなっている。
一方で、価格の大幅な下落は安く買い付けるチャンスとも解釈できるので、長期的な視点で復調を期待するのであれば、リスクコントロールに注意を払いつつ、今の内にイーサリアムクラシックへの投資を検討してみるのもよいだろう。
マイニング需要の増加とハッシュレートの上昇を期待されている
イーサリアムは、2022年9月の大型アップデート「The Marge」で、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへと移行した。これは同時に、イーサリアムではマイニングができなくなったことを意味する。
そのため、The Margeの実施前後からすでにその動きは起きているのだが、イーサリアムのマイナーがイーサリアムクラシックへと活躍の場を移すものと見られている。
マイニングの需要が増えるということは、ハッシュレートが上昇して、イーサリアムクラシックの利便性が向上することにもつながる。
DAppsの開発が活発におこなわれている
イーサリアムクラシックの特徴として、IoT分野での活用を目指している点を挙げたが、現時点ではその方面での目ぼしい成果は見られていない。
一方で、DAppsの開発は金融、ゲーム、NFTなどの幅広いジャンルで活発におこなわれている。
DAppsの開発プラットフォームは、イーサリアムとイーサリアムクラシック以外にも数多くあり、競争は熾烈だが、それらに負けない魅力的なDAppsが生まれることがあれば、新規ユーザーを引き込んで需要を拡大していけるだろう。
イーサリアムクラシック(ETC)のまとめ
今回は、仮想通貨の1つであるイーサリアムクラシックについて、特徴やこれまでの価格動向、今後の見通しなどを解説した。
- イーサリアムクラシックは、2016年7月にイーサリアムのハードフォークで生まれた
- DAppsの開発プラットフォームであるほか、IoT分野での活用も目指している
- イーサリアムでマイニングができなくなったことから、マイナーの流入が期待される
- 他の主要な銘柄と同じく、2021年中頃から価格の下落が続いている
- 今後の復調を期待するのであれば、現状は安く購入するチャンスとも取れる
イーサリアムクラシックは、国内の多くの仮想通貨取引所で取り扱われているが、500円程度の少額取引ができるCoincheckをおすすめしたい。
まだ仮想通貨取引所の口座をお持ちでない方は、この機会にCoincheckの利用を検討してみてはいかがだろうか。