単純だが奥の深い図形問題
図形問題は苦手な子どもは全く歯が立たない難物だが、上位難関校では出題する学校もあるので対策が必要だ。
広尾学園の数学科の教員が皆で考えたという2016年第3回入試のこの問題は、算数を教える塾のプロの目からしても、パッと見ただけでは解けない、意欲をそそる良問だ。
Q 下の図のHIの長さを求めなさい。
まず、こうした問題では図形は正確には描かれていないのが普通であり、定規をあてて測っても正答は得られない。
時間がせっぱつまってくると、CBが5cm、CDが4cmでIJが4cmなので、IHは5cmと答える子どもが必ず出てくる。もちろん不正解である。
この図の中に二等辺三角形があることから「対頂角が等しい」ことに気付き、相似であることが分かれば解ける。
作問した数学担当の外丸隆央先生は、「出題する問題の8割は問題集に載っているような基礎的なものです」と言う。塾で学ぶような基礎的な問題(習熟問題)をしっかり解き、基礎力を身に付けたうえで、一歩進んだ応用問題を解けるだけの考える力のある生徒を広尾学園は求めている。つまりは伸びしろのある生徒、ということになるのだろう。