昔ながらの学校の雰囲気を漂わせる「千駄木小」

文人が暮らした千駄木

 確かに、進学者の2倍の受験者がいるとすれば、9割方の生徒は何らかの形で中学を受けている。不本意な学校しか受からず、合格を辞退する生徒もいるだろう。20の小学校がある文京区では、「3S1K」以外にも中学受験率が高い学校は少なくないようだ。

 文京区には、東京大、東京医科歯科大、日本医科大、順天堂大の大学附属病院をはじめ、大きな病院が集まっている。そのため区内には教育熱心な勤務医の家庭も多く、小学校の学力水準の向上に貢献している。
 
 「3S」の残り1校、千駄木5丁目にある千駄木小は都立駒込病院の近くにある。校舎はいたって普通の雰囲気で、見た目は人気校という感じではないのだが、生徒数は誠之小同様に700人近い。昭和小と学区を接する本駒込3・4丁目や千駄木3~5丁目が学区で、東京メトロ千代田線「千駄木」も最寄り駅となる。千駄木は、高村光太郎の旧家跡や平塚らいてうの青踏社があったり、住人だった江戸川乱歩の小説の舞台となったりと、文人ゆかりの地でもある。かつては武家屋敷があり、林町と呼ばれた千駄木3丁目には邸宅が目立つ。