お茶の水女子大、跡見学園、筑波大附属など学校に囲まれた文教地区にある「窪町小」

国立附属校に囲まれた「窪町小」

 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅周辺には、国立の附属校が集まっている。女子高等師範学校が前身のお茶の水女子大の附属幼稚園や小中高校、東京高等師範学校、東京教育大を前身とする筑波大の小中高がある。少し離れて、東京学芸大附属竹早の幼小中もある。

 子どもが3歳のときに文京区に引っ越してきたママさんは、何度も「国立小入学を意識して?」と聞かれたという。

 幼稚園や小学校の「お受験」から始める教育熱心な家族が移り住んでくるため、小中受験の聖地的なエリアになっている。とはいえ、例えば筑波大附属小は、交通事情を加味した通学区域として、東京23区と西東京市、埼玉県和光市を挙げている。小学校であってもそこまで近所に住んでいることを学校側は要求してはいないのだが、保護者ははやる心を抑えきれないのかもしれない。

「3S1K」の最後の1校が春日通りに面した窪町小である。人気校だけあって、生徒数ほぼ800人と区内最大規模で、25クラスもある。近くの小規模な学校との合併が以前から取りざたされているが、実現にはいたっていない。

 文京区の特徴として、JRの駅が区内にないことが挙げられる。そのため、歓楽街を含む盛り場らしい盛り場が区内にはない。代わりに、これまで挙げたような大学や人気校、大病院、六義園と後楽園という江戸時代からの庭園などがそろっている。

 「茗荷谷」駅を出てすぐの跡見学園の隣には都営バス大塚支所があった。老朽化で4年前に閉所し、巣鴨営業所に統合されている。現在、きれいに整地された跡地には、都心回帰を進める中央大の看板である法学部が移転してくる予定だ。もっとも、5700人もの法学部生をすべて収容するだけのスペースはなかったようで、1年生は理工学部のある後楽園キャンパスに進む見込みとなっている。

中央大法学部の移転予定地の1つとなる都バス営業所の跡地

「週刊ダイヤモンド別冊」(8月22日発売)では、特集「人気学区と文教地区」で、首都圏・関西圏・名古屋の人気公立小学校区について取り上げた。人気のある小学校区は、需要が供給を上回る傾向があり、不動産価値が下がりにくい。進学志向の家庭にとっては充実した教育環境を得ることができる。