出題範囲を限定する動きなども

 ほとんどの学校では例年通りの入試問題を課す予定だが、一部では、新型コロナ禍による学習状況の遅れに対応して、出題範囲を限定するなどの動きも出ている。

「状況を鑑みて、受験生が不利にならないように配慮する」(聖和学院中学校・髙等学校)
「出題範囲を狭めることを検討すると同時に、高いスキルが必要な問題も減らす」(和洋九段女子中学校高等学校)
「例年通りですが、難易度について考慮する予定です」(目白研心中学校高等学校)
「6年生で学習する分野は基礎重視。時間短縮に伴い、問題の分量の調整をする」(聖望学園中学校高等学校)
「各科目6年最後の方はあまり出題しないようにする予定です」(茗溪学園中学校高等学校)
「国語:書き取りなど語句を問う問題において、6年生で学習する漢字は問わない」(函嶺白百合学園中学高等学校、駒沢学園女子中学高等学校)
「国語では小6新出漢字を出題から除外する」(明治学院中学校)
「6年後半部分は比重を軽くする方針です」(獨協埼玉中学高等学校)
「6年生の後半で学習する範囲は、資料から考察するなど取り組める形で出題する予定です」(鷗友学園女子中学校)
「発展的な問題を出題する際は、例年より丁寧な説明を加えます」(城西川越中学校)

 また、受験生の負担軽減策として、難易度の調整などを行う動きも見られる。

「過去よりも試験時間を短くしました」(江戸川学園取手中・高等学校)
「例年より基本問題を多く出す予定です」(関東学院中学校高等学校)
「問題のレベルを易しくする予定です」(京華女子中学校)
「発展・応用問題の比率を下げ、基礎力重視の問題作成」(湘南学園中学校)
「4科目入試・2科目入試において、各教科で基礎力を踏まえた出題をこれまで以上に心がけることといたします」(桐蔭学園中等教育学校)
「出題範囲は変更しないが、設問は基本的なレベルの問題を多くする予定(各科目7割程度を考えている)」(東京純心女子中学校)
「一部コースは4科目→2科目へ変更」(淑徳中学高等学校)
「2科型を設置、公表合格ラインの引き下げ」(宝仙学園中学校・高等学校)
「受験生の不利になることがないよう、採点で配慮」(捜真女学校中学部・高等学部)
「午前中行う4教科入試は、それぞれ試験時間を5分ずつ短縮し、その代わりに休憩時間を5分ずつ延長」(富士見中学校高等学校)

 日本大学第二中学校・高等学校の対策はかなり細かい。

「小学校6年生の学習内容の遅れに配慮し、1教科あたりの試験時間を40分(中学社会・理科は合わせて40分)とします。また、各教科の問題の分量と出題範囲について次の調整を行います。国語:ドリルと長文1題の大問2題構成に変更いたします(例年は長文2題としていたものを1題減らします)、算数:例年と比較し、3以降の大問を幾つか削減し問題数を減らします。その分、1、2の小問群に配点を増やします、理科と社会と合わせて40分で実施します」