受けやすくなる午後入試

 最後に、午後入試について少し触れておきたい。2020年入試では、短期決戦志向が強まり、1日と2日の午後入試も受験して、3日には合格を勝ち取りたいというマインドが働いたのか、どの学校も午後入試が大盛況だった。男子受験生に関していえば、2021年入試の午後入試へのニーズは二分される傾向もあるが、全体的に受けやすくなりそうだ。

 1日午後では、先述したように東京農大第一と桐蔭中等教育学校がいずれも+30%台の伸びを見せているし、2日午後も桜美林が、3日午後も日大豊山が人気を見せている。

 これが志願者数100人以下の入試となるとさらに人気の高まりは顕著に見受けられる。2日午後の京華(2回特選)は+40%台半ば、順天(2回B)が+30%台半ば、八雲学園(4回)と京華(2回)は+20%台半ば、安田学園(先進特待4)は+20%弱、3日午後の多摩大学目黒(特待・特進3)は+50%弱と好調である。

 一方で、1日と2日午後で志願者を減らしそうな入試はたくさんある。女子受験生に比べて行動的な男子とはいえ、コロナ禍での午後入試会場への集団での大移動には躊躇(ちゅうちょ)してしまうのかもしれない。

 2020年の志願者数が100人以上の中で減少幅の大きい入試を列挙しておこう。逆に見れば、いずれも実倍率は低下するので、志願校であるなら躊躇せずに受ける方がいいということにもなる。

 ▲60%弱となるのが多摩大学目黒(特待・特進1)、ほぼ半減するのが東洋大学京北(2回)、▲40%弱は東京都市大学等々力(1回S特進・算数)と世田谷学園(算数特選)、▲30%弱は開智日本橋(特待)と鎌倉学園(算数)、山手学院(特待選抜)、足立学園(特奨2回)、▲20%台半ばは広尾学園(2回)、京華(1回後特選)、▲20%前後は聖学院(1回特待アドバンス)、青稜(1回B)、▲10%台半ばが淑徳(東大1回)である。

 ネット出願がほとんどとなったことで、志願状況はぎりぎりまで変動する。1月下旬になっても、その動きからは目が離せない。