女子伝統校の復活と日大系列の人気
女子伝統校の人気復活にも触れておこう。1875(明治8)年創立の跡見学園(東京・文京区)と1903(明治36)年創立の山脇学園(東京・港区)がその代表となる。この両校は、跡見が2007年に閉校、山脇が2008年に募集停止とほぼ同じタイミングで短大をなくし、経営資源を中高に集中、進学校化に踏み切っている点でも志向を同じくしている。
跡見は生え抜きの教員である松井真佐美校長の就任以来、教職員のやる気スイッチが押されたのか、勢いに乗っている。一方の山脇は3年前に武蔵高等学校中学校の校長を務めた山崎元男氏を校長に迎えている。どちらも母子、時には祖母も同窓という例があるほど親の世代には結構なブランド校であるが、時代に合わせて変身している。
まず山脇だが、2月1日のA日程は+40%弱、1日午後の国算1科は+10%とはいえ600人以上の志願者を集めて1日午後の最人気入試となりそうだ。2日午後のB日程ではなんと+70%強と、こちらも2日の午後入試で一番人気の様相を呈している。4日のC日程は+20%台半ばで予想倍率7倍超えの勢い。2020年入試に続いての人気校となっている。
一方の跡見は、2日の2回が+50%台半ばと人気が急上昇している。予想倍率も2倍台半ばから3倍台後半に近づき、結構な競争度合が見込まれている。もっとも、1日午後の特待1回は▲10%台で予想倍率も1.7倍程度、2日午後の特待2回が▲10%台後半で同1.5倍なので、跡見を第一志望とする受験生には狙い目の入試といえる。
女子伝統校ということでは、前身となる日本女子高等学院が1920(大正9)年に設立された昭和女子大昭和(東京・世田谷区)も近年人気が高まっており、1日のA入試とGA入試は+40%台半ば、予想倍率も3倍台前半から5倍台近くまで急伸しそうである。
男子にも見られた日大人気はどうだろう。志願者数合計100人以上の入試で見ると、1日の日本大学第二(1回)が+20%弱で予想倍率2.3倍ほど、1日午後の日本大学豊山女子(2科〈1〉)が+30%弱で同1.4倍ほどとマイルドな競争状況である。3日の日本大学第二(2回)は+10%、4日午後の目黒日本大学(4回)も+10%強だが、いずれも予想倍率が4倍近い。100人未満となると、1日の日本大学第一(4科1回)が+80%台半ばで予想倍率も3倍台半ばと人気化している。