国公立一貫校と埼玉の開智学園

 首都圏の公立中高一貫校の校長人事では、千葉市立稲毛高校附属に伊澤浩二氏、横浜市立南高校附属には遠藤広樹氏がそれぞれ就任する。

 東京の都立中高一貫校を牽引(けんいん)する進学実績の小石川中等教育学校では、日比谷高校の統括校長に転じた前校長の梅原章司氏の後を鳥屋尾(とやお)史郎氏が引き継いでいる。もう一校、都立中高一貫校の嚆矢(こうし)である白鷗高校附属には、成瀬高校校長だった宮田明子氏が就任、前任の善本久子氏は退職となった。

 日本最難関の中高一貫校の一つで、国立では珍しい男子校である筑波大学附属駒場では、校長には筑波大学の教授が就き、副校長には内部からの昇格というのが恒例となっている。この春から、農産加工学などの専門家で、筑波大学生命環境系教授の北村豊氏が中高校長に就任した。

 埼玉県でも、2019年のさいたま市立大宮国際中等教育学校に続き、2021年には中核市の川口市で市立高校附属中学校が開校、中学受験ブームが続いている。私立中高一貫校では栄東(さいたま市見沼区)を筆頭とする県内最大規模の学校法人佐藤栄学園がある。これに次ぐのが学校法人開智学園だ。

 茨城には小学校と中等教育学校の開智望(守谷市)があり、東京には開智日本橋(東京・中央区)もある。埼玉県内では、開智(さいたま市岩槻区)と開智未来(加須市)に次ぐ県内3番目となる系列校を東所沢(所沢市)に2024年、新設開校する予定。こちらは小中高一貫校で、開智日本橋躍進の原動力でもある国際バカロレア(IB)を取り入れていくことになりそうだ。

 開智の新校長には青木徹氏に代わって、副校長の菅沼健児氏が就く。取り組みの早かった「探求」をさらに推し進める一方で、2021年からは先端クラスと一貫クラスに分かれていた中高一貫部のコースを一本化することになった。