時代に合わせて生き残りを図る女子校

 2021年は女子校での校長交代も相次いでいる。特に、生徒募集に苦労している学校は、時代に合わせた改革をさらに進めることによって生き残りを図ることになる。

 国本女子(東京・世田谷区)の新校長に就いた坂東修三氏は駒場東邦の元教頭。英語科の教員で、長らく進路指導部長を務めた。教頭退任後は、70歳を超えたいまも母校や河合塾などで教壇に立っていた。前校長の島野英一氏が2020年に立ち上げた、カナダの高校卒業資格も得られるダブルディプロマコースなどを引き継ぎ、学校の国際化教育をさらに進めることが期待されている。  

 以前ご紹介したように、北豊島(東京・荒川区)は海外直接進学にも力を入れている女子校だが、事務局長も務める丸山裕幸氏が新型コロナ禍対応にも一区切りついたことから校長職を離れ、河村惠子氏が再び校長となっている。

 品川女子学院(東京・品川区)の新校長には、副校長だった神谷岳氏が就いている。前回お知らせしたように、前校長の仙田直人氏が母校の校長に就任したことに伴い、内部昇格した。創立一族で以前校長を務めていた漆紫穂子氏は理事長とともに校長補佐として学校運営に関与していくことになりそうだ。

 三輪田学園(東京・千代田区)は、明治20(1887)年、創立者の「女子に学問を」という願いから生まれた女子伝統校である。和装姿の前校長、吉田珠美氏からダンディな装いの塩見牧雄氏に交代した。2021年からは組み合わせが自分で選べる形に制服もリニューアルされる。法政大学市ケ谷キャンパスと隣接しており、法政大学との高大連携も始まっており、今後の進展も注目されるところだ。