茨城の中学受験ブームと“ミスター江戸取”の引退
茨城はいま、空前の中高一貫校ブームである。伝統的な県立の進学高が圧倒的で、それを補完する形でいくつかの私立中高一貫校が頑張ってきた茨城だが、その県立進学高が、ここ数年で軒並み中高一貫化に踏み切っている。
2008年に中等教育学校となったつくば市の並木を皮切りとして、日立第一、太田第一、鉾田第一といった具合に、校名に“第一”が付くエリア内の一番校が次々に中学校を併設していった。2022年の下妻第一と水海道第一で一段落するが、中学受験がこれにより茨城でもすっかり根付いていくことになるだろう。
中でも2021年に水戸第一と土浦第一という県内のツートップが一貫化したことは大きい。その土浦第一では中澤斉(ひとし)氏が新校長に就任、初の付設中学校への新入生を迎えている。
これまで、茨城県で中学受験を牽引してきたのは江戸川学園(江戸取)である。校内予備校のような面倒見のよい学習環境を整えた江戸取は、県内の私立中高一貫校でダントツの進学実績を出してきた。学校法人江戸川学園が創立50年記念事業として、1978年に開校した高校は、1980年には野球部が夏の甲子園にも出場している。1987年には中学校を併設して中高一貫化し、2014年には小学校も設けた。茨城県内初の小中高一貫校である。
江戸川女子高校の国語科教諭となった竹澤賢司氏は、江戸取の開校に伴い異動、以来、この学校の歴史を見続けてきた“ミスター江戸取”である。校長は島司郎、中興の祖となる高橋鍵彌、稲葉邦彦の各氏に受け継がれ、2006年就任の大坪司郎氏のときに竹澤氏は副校長となり、2014年からは自らが校長に就いた。今春45年間の教員生活に別れを告げた竹澤校長の後任には、高等部副校長の山本宏之氏が就任している。
小見出し「国公立一貫校と埼玉の開智学園」内、最終段落本文冒頭:開智の新校長には高松雅貴氏に→開智の新校長には青木徹氏に
(2021年4月21日14:40 ダイヤモンド社教育情報)