爆上げ状態の浦和ルーテル

 例年、SAPIXの偏差値変動は少ない。模試の受験者が難関・上位校志望中心ということもあり、志望状況にさほどの変化が起きないことが背景にはあるかもしれない。

 今回、2020年と2021年を比べて、偏差値が3以上上がった入試が前ページのように16件あった。中でも、一挙に+10の1月10日の青山学院系属浦和ルーテル学院(1回)は、この学校が難関・上位校受験生の併願校として浮上してきたことを如実に示している。青山学院大学への推薦枠拡大の効果は絶大である。

 2月1日午前では、女子学院に次いで受験者が多い鷗友学園女子(1回)が女子上位校にして偏差値を3上げたことは大きい。この学校との併願も多い1日午後の恵泉女学園(1回)は+5と猛烈に上がっている。ここ数年人気上昇中の山脇学園(国算1科)も+3ですっかり上位校の仲間入りである。

 男子校では、第一志望の受験生が増えている1日のサレジオ学院(A)、すべての入試が人気上昇で上位校の併願先としてすっかり定着した2日午後の日本大学豊山(2回)、そして、難関校の併願先としても不動の地位を得た巣鴨が2つの入試で顔を出していることが注目される。

 共学校では、いまや男女合わせると2月1日午前受験者数が共学校でトップとなった芝浦工業大学附属の大人気ぶりがうかがえる。1日も2日も+3となっている。新たに受け入れた女子受験生分が純増状態で、2022年入試でも偏差値は上昇傾向を示すことになるだろう。

 他に、校門を入ると男女別の建物で授業を受ける校内別学校の國學院大學久我山(ST3回)が女子の偏差値のみ+3となっている。

 2日午後入試の偏差値上昇が4校ある点に、コロナ禍で受験校数を絞りつつも、短期決戦志向が続く今の受験状況がうかがえる。

 ところで、4つの模試で表示される偏差値は、同じ学校の同じ入試でも大きな違いがある。SAPIX・四谷大塚・日能研・首都圏模試の順に並べて比較してみよう(いずれも合格可能性80%)。男子で一番受験生の多い2月1日の開成は67・71・72・78と9の開きがある。これが上位校になると、3日の浅野は58・64・64・74とさらに開く。中堅校まで見ていくと20ほどの開きも珍しくないのだ。

 SAPIXでは偏差値50を超える入試が数少ないことを考えると、この模試の受験生が御三家+αの難関校に焦点を合わせている様子を顕著にうかがえる。