四谷大塚で偏差値が上がった入試

 四谷大塚はもとより、早稲田アカデミーの在校生も受験する「合不合判定テスト」は、難関・上位校狙いの受験生にとって標準的な模試といえる。

 SAPIXでは出てこなかった学校(入試)を中心に見ていこう。1月入試では、いずれも+3で、埼玉からは城北埼玉(3回)、昌平(Tクラス)が、千葉からは東海大付属浦安の2つの入試が登場している。

 2月1日では午後に神田女学園(2回特待)と藤嶺学園藤沢(2科)が顔を出している。神田女学園は2日午前でも+7と爆上げ状態だ。

 2日になると神奈川の湘南学園(B)も入っている。地元受験者を集めた湘南学園は3日と5日にも登場する。学校改革が功を奏した印象である。

 ここ数年、人気が上昇している中堅校が今回も偏差値上昇入試として見受けられる他にも、3日の昭和女子大学附属昭和(C)、4日の目黒日本大学(第4回)などがそれに該当する。

 ちなみに、四谷大塚や日能研で45以上の偏差値を出している学校は人気私大であるMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)への合格が近づく。

 森上展安・森上教育研究所代表は、「2021年の入試では中位校の人気が目立った。2022年入試でもその人気は続くが、偏差値がいずれも上昇したため、“中位校”改め“中堅校”の人気が目立つことになるだろう」とみている。偏差値が50を超えると“お得感”が薄れてくる。偏差値の上昇は好ましくても、学校にとっては痛しかゆしの面があるのだ。

 模試の個性は残る2つの模試、日能研と首都圏模試でさらに色濃く表れてくる。