若干ペースダウンの2日初回入試校
2日が初回の入試となる学校を続けて見ていこう。同じ戦後生まれの男子カトリック校ながら、栄光学園はこの日だけの入試であるのに対して、聖光学院は4日に2回目を実施している。両校の志願者は交互に増減する傾向にあったが、横浜市という地の利を生かした聖光学院が東京からの受験生を多く取り込むことで、状況は変化している。
21年は新型コロナ禍で東京からの受験生が多摩川を渡ることをためらったこともあり、聖光学院の志願者数は大きく減ったが、22年は前年を上回る増加基調にある。鎌倉市にある栄光学園は湘南エリアの受験生を多く集めているが、22年は前年比8%減の750人で確定した。
2日が初回の上位校には、大学を系列に持つ学校がそろう。共学校では、青山学院が1000人以上を集めるが、男女の差が大きい。21年の偏差値で65と57、実倍率では2.99倍と6.07倍という差がある。22年は454人と1000人を割った。
男子校の明治大学付属中野(第1回)は1000人を超えても増加基調で、22年も微増ペースとなっている。調布市にある明大付属明治(第1回)は、現状では男子を中心に緩和基調にある。武蔵小杉のタワマン街に近い法政大学第二(一般第1回)は、21年の実倍率5倍超の女子が緩和傾向で、微増の男子がこれを補えるかという状況だ。
女子校は、これ1回のみの入試となる白百合学園が前年並みのペースで推移、実倍率は2倍台半ばとなりそうだ。男子校では、学習院(一般第1回)と立教池袋(一般第1回)が共にいささか緩和傾向にある。21年志願者数が219人のため表中にはないが、暁星(第1回)は実倍率が20年の2.69倍から21年は1.65倍となるなど大幅に緩和した。好調な22年は、実倍率2倍を回復するかが焦点となる。
ここからは、2回目以降となる22年2月午前の注目校の入試を見ていこう。男女共に大幅増加予想の青稜は、21年に前年比で100人増やしたが、22年も好調な女子がリードして上積みしそうだ。実倍率6倍に乗せるかもしれない実にハードな入試である。渋谷教育学園渋谷(第2回)は、四模試で示された通り好調な女子が実倍率4倍に近づく展開である。
四模試で男子に人気の共学校では、神奈川大附属(第2回)は男女共に増加基調で21年超えのペース、日本大学第一(4科第2回)は女子が緩和傾向で男子がそれを補えるか、日本大学第三(第2回)はその逆で、女子の方が順調で緩和気味の男子を引っ張っている。
男子校では獨協(第3回)が続伸の勢いで、500人超えも視野に入っている。実倍率は3倍台半ばになるだろうか。攻玉社(一般学級第2回)も好調で、21年実績を超えそうだ。本郷(第2回)は微増、城北(第2回)は微減傾向、高輪(B日程)、世田谷学園(2次)、桐朋(第2回)はいずれも緩和傾向である。
女子校では、吉祥女子(第2回)が前年を上回るペースで、20年実績を超えることができるか。洗足学園(第2回)と恵泉女学園(第2回)は21年実績に上乗せしそうだ。四模試が好調だった跡見(一般第2回)は出足が鈍い。共立女子(2月2日)と大妻(第2回)は少々緩和気味である。
表中にはないものの実践女子(第3回午前)が、前年比99人増の21年実績205人をすでに大きく上回って絶好調である。三輪田学園(第2回午前A)も好ペースで出願が続き、21年を超えそうな勢いにある。