増加している2日午後入試

 志願者の多い1日午前入試のネットでの合格発表は、1日20時半の吉祥女子が例外的に早く、2日9時駒場東邦、10時早稲田、11時女子学院、12時鴎友学園女子、14時桜蔭、3日12時開成、13時早稲田実業、15時麻布といった具合で、合否が分かるまで1日午後や2日午前の併願校受験は欠かせない。

 1日午後に続いて、2日午後も入試を設定する学校が増えている。この入試にはいくつか顕著な傾向がある。まず、志願者数に対する実際の受験者の割合(受験率)が、1日に比べだいぶ低下する入試が多いことである。21年の受験率を見ると、東京農大第一(第2回)と山手学院(B日程)は3割、青稜(第2回B)は4割、広尾学園小石川(第3回本科/ISG)は半分強が、出願しても実際には受験していない。

 それでも、2日午後からの合格者数は絞られるので実倍率が上がり、3倍4倍当たり前という状況になる。その結果、安全安心な併願先としての中堅共学校が志願者数上位に並ぶことになる。

 21年に1000人超は中央大学附属横浜(第2回)と四模試で男子の人気が高かった東京農大第一(第2回)が前年比6割まで出願されており、いずれも男子に勢いがある。日本大学豊山(第2回)と山手学院(B日程)はスローペースだ。女子校は香蘭女学校(第2回)と山脇学園(B)の人気が突出している。現時点では前年比5~6割の出願だが、山脇は底堅い。

 四模試で女子に人気の入試を見ると、いずれも21年の実倍率が2日午後にしては低い。大妻中野(第3回アドバンスト)は1.95倍、表3にない実践女子(第4回午後)は273人・2.5倍、カリタス女子(一般第3回)は207人・2.05倍といった具合である。
    
 2日午後にも算数1科はある。男子校の高輪(算数午後)、21年に前年比で5割も増やした女子校の富士見(算数1教科)はいずれもいささか緩和傾向にある。

 表3には実倍率が3倍を下回る入試もいくつか載っている。志願者数200人台で表中にない入試の21年の志願者数・実倍率を挙げておくと、跡見(特待第2回[国語重視型])が204人・1.96倍、安田学園(先進特待第4回)269人・3倍、穎明館(第3回)281人・2.09倍、宝仙学園共学部理数インター(第2回2科・4科[特待選抜])250人・1.43倍、文教大学付属(第4回)274人・1.83倍といった次第である。