「R-プログラムの根底にあるのは、学力とコミュニケーション力の基礎となる国語力を伸ばし、人前で話す力を身に付けることにあります。特に近年の生徒たちは読書量が減っているので、個人とクラス対抗で読書量を競うリーディングマラソンも大切。文章に親しむことは豊かな発想の源になるので、中高時代にたくさんの本を読んでもらいたい」(大場校長)
身に付けた国語力は、例えば理科のレポートが充実するなど、他教科にも反映される。大学入試で求められる力にマッチし、社会人になってからも役立つはずだ。2022年からは、R-プログラムに接続する形で高校生の探究学習もスタートした。
もう一つの特徴は、将来に対する意識を高め、目的を持った進路選択を促すための取り組み、「キャリアデザインプログラム」。中1では社会で活躍している卒業生が仕事の話を伝える「職業講話」があり、中2ではサプライチェーンについて学び、地域活性化のアイデアを作成する「職業理解」がある。中3では実際に3日間のインターンシップを行う「職場体験」があり、レポート提出とプレゼンを行う体験報告会もある。
「職場体験先は小売業が中心ですが、公的機関や法律事務所などもあります。店頭に立って接客したりバックヤードで働いたりと、仕事を任されることは生徒たちの大きな刺激となります。想像と現実のギャップに気付くことで、将来の職業観も育ちます。何よりも職場体験を通して、働くことの厳しさを知り、親への感謝の心を持つようになります」と大場校長は解説する。
「面倒見の良い学校」
として評価される
立正は保護者から「面倒見の良い学校」として評価されることが多い。クラス担任や教科担当の他に、直接教えていない教員も連携して1人の生徒を見守る体制がある。保護者面談の回数が多いのも特徴で、家庭と学校が連携して生徒の情報を共有する。
無理な先取り学習をしないのも立正の特徴の一つだ。その代わり、英語と数学の2教科は、中1から習熟度別のクラス編成で授業を行っている。得意な生徒たちは切磋琢磨しながら学力を伸ばし、苦手な生徒たちは適切な授業スピードで基礎学力を固めていく。
「ウィズコロナ時代の教育を見据えて、アーカイブ動画も導入しています。数学、英語、国語の各教科で、授業とは別に内容をコンパクトにしたものを配信。自宅でも見られるため、生徒たちは授業の予習・復習や定期テスト対策に役立てています」と大場校長。