生徒と先生の距離が近い学校
――改めて、フランクさというか、生徒と先生が本当に自由に話せるのはすごいなと思います。
田中 前にも触れましたが、栄東は生徒と教員の垣根は本当に低いと思います。授業中もそうですが、休み時間や放課後も質問や添削を頼みに生徒たちが職員室によく来ますよ。卒業生も、先生方や部活の後輩に会いに気軽に学校に来ます。
――生徒が理解できるまで、先生はしっかり面倒を見ておられますね。
田中 補習や小テストの再試で放課後に残すこともあります。生徒たちは渋々かもしれませんが(笑)、でも本校には目の前のことをひとつひとつ真面目に頑張る気概を持っている生徒が多くいるように思います。
佐藤栄学園に教員として戻ってくる栄東の卒業生も、以前に比べいまはだいぶ増えました。ただ、栄東の生徒たちはみな高い資質を持っていてかつ努力もするので、教員も彼らに負けないようにそれ以上に努力をする必要があります。
――先生方にも容赦ない(笑)。後継者を考える時期に来ていますね。
田中 これから栄東の教育はどういう方向に向かっていくのか。ただ、いまのように先生方が同じ方向を見て教育活動に従事してくれているのはありがたいことです。いまの栄東があるのは、ひとえに教師全員が生徒に寄り添いながら日々頑張ってきてくれたおかげだと感謝しています。これからは、若い先生方ができるだけ前面に出て、教育活動をけん引していく時期にきています。
私たちの学校現場は、授業を受け持つ教員だけではなく、学園各校全体を対象とする学園本部職員、事務仕事全般を行う職員、大量のごみ処理や体調不良者のケアに当たる職員、食堂の職員など、子どもたちの安全・安心を守ろうとさまざまな立場の職員による日々の尽力の下に成り立っています。
将来社会のリーダーとなるべき本校の生徒たちには、学びの中にもそうした多くの支えがあることを決して当たり前だと思うことなく、保護者の方々をはじめとした周りの他者への感謝と敬意を忘れない、謙虚な心と思いやりを持った豊かな人間になってほしいと強く願っています。