食堂でクラスメートと(アメリカ短期留学) 写真提供:筑波大学附属中学校

アメリカ短期留学も再開へ

――短期留学もあるそうですね。

升野 新型コロナ禍で、2020年から実施できずにいました。23年3月に再開しようと、この秋、保護者説明会を行ったところ、大変盛況で、関心の高さを感じました。継続して実施していることから、現地スタッフと私たちとの信頼関係ができているところも、大切なことと考えています。 

 これは、春休み期間に、本校生徒のためだけに用意されたプログラムに希望者が参加するものです。米国ペンシルベニア州フィラデルフィア近郊の落ち着いた町にある小中高12年生までいる私立校で、英語漬けの日々を送ります。地元のいくつかの教会のコミュニティに属するクリスチャンのホストファミリー宅に1週間ほどホームステイして、アメリカの文化的なものにも触れて帰ってきます。

――ホストファミリーも場所によっては、お手伝い代わりに使われたとか言う話も耳にしますが、こちらは中流家庭なのでしょうね。

升野 お迎えに来てくれた日本人の方が、「落ち着いた町ですね」と感心しておられました。私も数日間、日本にも駐留経験のある退役軍人のお宅でお世話になりましたが、どのホストファミリーも、アメリカの文化を伝えたいという気持ちを持った方々です。日曜日に一緒に教会に連れて行ってもらう生徒も多くいます。

――現地の学校にも通われるわけですね。

升野 現地の7~9年生のいろいろなクラスに入って学びます。帰国時にアメリカの授業はどうだったか聞きました。内容の理解は難しいものもあるようですが、授業の雰囲気や取り組み方など大いに刺激を受けて帰ってきます。

――シンガポールの学校とも交流があるそうですが。

升野 附属高校が協定を結び、中学にもお声掛けいただきました。やはりコロナ禍で、ここ3年ほど中断していますが、10年前から行っています。高校生だけで1700人もいるマンモス校です。

――あちらの学校は、社会共々メリトクラシーですからね。

升野 高校の授業なので内容も高度で、中学生には厳しいところもあるようです。ただ、参加者はその環境にびっくりして、大いに刺激を受けて帰ってきました。

文京区大塚にある附属中高の校地は、緑豊かで広々としている。左上が中学校舎で、右側のグラウンドは直線で100メートルを走ることができる 写真提供:筑波大学附属中学校