図書室には、自主研究プログラムを支えるさまざまな工夫が
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「自主研究プログラム」を支える体制

――探究的な学習は、どのように進めていますか。

佐々木 1978年から続けている本校独自の「自主研究」は、生徒自身が関心のある研究課題を選び、それを自分なりの方法で探究し、研究を深め、リポート作成や発表会でのプレゼンテーションなど、多様な形で成果を発表します。

 この自主研究は、本校の教育目標である自主自律の精神を具現化しているもので、中学3年間を通して取り組むことで、探究的な力を自ら育みます。1年生の1学期に「ミニ自主研究」を行い、学年後半に研究を行うための六つの講座と方法論を学ぶためのゼミを設けています。2年生で自分のテーマを決め、3年生の前期までの1年半を掛けて仕上げていく「自ら学ぶ」の実践例です。

――ということは、テーマは多種多様になりますね。

佐々木 研究課題は、一人一人の「好き」を反映するため、非常に多岐にわたります。今年、大学講堂での発表に選ばれた代表者のテーマを挙げてみますと、「グリム童話を違う角度から読み解く」「JGTをプロデュースする!!」「兄妹の顔をリアルに描きたい」「10年後に流行る曲を作ろう」「引きつけられる話し方」「オリジナルのテトリスを作る」「爆売れ自動販売機を目指して工夫を練ろう」「大坂の陣を地図から攻める!」「より多くの英単語を効率的に覚えるには?~目指せ8000語~」「古着リメイクでサステナブルファッション」「なぜ博物館にある化石はきれいなのか~その裏で行われている過酷な作業に迫る~」「ミニチュアを作りたい~誰でも手軽に~」「姿勢と自転車の関係~サドルの位置による検証~」といった具合です。

――これらを見守る先生方も大変そうです。図書室に工夫が凝らされているようですね。

佐々木 普通教室からも行きやすく、生徒の昇降口にも近いので、立ち寄りやすい場所にあります。2万1000冊の蔵書は公立中の2倍くらいです。蔵書も、文学関係よりも、自然科学や社会科学関係など、探究学習に役立つ書籍をたくさん揃えているのも特徴です。中学生として使える本に日々更新しています。

――行事に合わせた展示の工夫なども見られますね。レファレンス関連本が目立つところに置いてあるのは、書籍を研究に活用してほしいという気持ちの表れでしょうか。

佐々木 司書の先生が、200人くらいの生徒それぞれの自主研究のテーマを把握しています。ネットリテラシーもそうですが、ネット一辺倒にならないように、書籍の活用法もアドバイスしています。中学生でも、大学の図書館から必要な書籍を借りることもできますし。

――研究成果は年ごとに製本されていますね。窓の外には緑がいっぱいで、環境は素晴らしいと思います。

図書館の司書は、参考図書の相談などで「自主研究」を力強く手助けする。窓外の緑の多さも大学のキャンパスならでは