男子は多彩な進学先、女子の8割前後は附属高校に
――附属小からは何人くらい進学してきますか。
佐々木 男女が概ね半々となっている附属小からは、女子のほとんど、男子の3分の1程度の児童が進学してきます。中学の定員(約120人)は男子が女子の半分です。年によって変わりますが、中学での募集人員は女子約35人、男子約25人となっています。
――なぜ男女で1対2の割合になったのでしょう。
佐々木 戦前から附属小は共学で、附属高は女子校でした。戦後、新制中学校が発足したときに共学化されたことが背景にあります。
――附属中の入試状況を見ていると、男女で実倍率も難度もだいぶ異なり、男子生徒の位置付けが少し難しいと思います。男子の募集をやめる、という議論はなかったのですか。
佐々木 男子生徒の募集をやめることはありません。むしろ男子の受験生をもっと増やすにはどうしたらいいかと考えています。
――そのための調査などは行いましたか。
佐々木 今年入学した1年生にアンケートを行い、「どこで本校のことを知りましたか」「なぜ受けようと思いましたか」などを聞きました。「生徒が自主的・主体的に活動する校風」と「生徒が中心になって実施する行事が活発に行われていること」をかなり重視したと答えた生徒が半数を占めていました。「学力の高い生徒たちが学び合っていること」をかなり重視したという答えもそれらと同じくらいあり、進学先や部活動に関する項目も重要視している傾向がうかがえました。
――中高一貫校が増えている中、本校の特徴は?
佐々木 中学生はとても成長の大きい3年間で、どのように伸びるか未知数の部分もあります。単に学力が上がるだけでなく、その子の興味・関心や得意なことなど、中学の3年間で大きく変わると思います。
自分の良さ、このようなことができる・やりたいということを見つけて、改めてその先の進路を考えることができますから、小6の時点で決めて中高一貫校に進学する道筋だけでなく、中学時代に大きく変わった自分が探した道筋に合わせて、改めて進路を見つけることの意味は大きいと思います。
相川 自分自身で選んだ進路は、モチベーションが違うと思います。附属中でも、キャリア教育の一貫として大学の研究室訪問を実施しています。
――附属高に進めない男子の進学先はどのようになっていますか。
佐々木 男子生徒からすると、女子の8割前後が附属高に行けるからいいなというのはホンネとしてあると思います。卒業生の進学先をこちらに挙げています。筑波大学附属高校や筑波大学附属駒場高校にも毎年のように進学者がいますし、多種多様です。学習院高等科は「お茶の水と雰囲気が似ている」と保護者の方がおっしゃっていました。