教員の待遇をさらに引き上げていく
――私学助成でも東京は恵まれています。
青木 すごく恵まれていると思います。学校の運営を変えることに対して、東京ではきちんと助成金が出る。
――校舎の耐震補強もそうですが、外国人の先生を入れたいというときにも柔軟に対応してくれます。
青木 そうです。例えばJETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)で採用すると、東京は人件費を全額負担してくれますが、埼玉は34%しか出ません。茨城は半分です。そのため、東京では1人余分に採用もできるわけです。
――埼玉と茨城で小学校もやっておられますが、東京だといいでしょうね。
青木 児童1人当たり十数万円は助成金が違うので、同規模の学校でも、東京と埼玉では年に1億円違ってきます。開智日本橋学園にはもう用地がないので無理ですが。
――教員の待遇は、開智学園グループではいかがでしょう。
青木 うちは皆そろえていますので一緒です。
――ということは、学校間の異動はさせやすいということですね。
青木 東京の水準より少し高くしていますので、埼玉ではかなりいい。県内の他校よりは教員を集めやすいですが、東京では少しの差なのでそうでもありません。もっと上げなければいけないというのが数年前からあって、待遇の上げ方をシミュレーションしているところです。
――基本的には授業料を高く取れないと難しいでしょうね。
青木 最後はそこです。生涯賃金をどのくらいにすればいいか。大学の付属校は4億円くらいのところもありますが、退職金も込みで3億5000万円いけばかなりいい。それに向けて考えています。65歳までやることが原則ですが、そのうち定年は70歳になります。すでに優秀な方には75歳までやっていただいたこともあります。
――それはいいことですね。一番の問題は教員の人件費で、特に理系の人材が企業に採られてしまいますから、待遇改善は大切だと思います。