

分からないことの放置が算数を苦手にする
算数は「積み重ね」の教科です。それまでに終えている学習内容を理解していることを前提に、次の内容に進んでいきます。特に小学6年生では、5年生までのさまざまな学習内容をベースとして、応用的な問題を解くことが増えてきます。
つまり、過去に「よく分からないけど、まあいいか」と済ませている単元や問題があると、そのツケが回ってくるというわけです。算数が苦手な子は、そういった"つまずき"を、そのままにしてきたのではないでしょうか。
中学受験を目指すご家庭では、志望校の過去問にあるような応用問題を解けるようにならなければと焦るあまり「5年生の基礎問題なんて」などと、昔の単元を一から復習することを躊躇(ちゅうちょ)することが多いもの。しかし、できない問題に出合ったら「急がば回れ」の精神で、時には4年生や5年生の内容にまでさかのぼって基礎を学び直すことが重要です。
そのためにもお子さんが、分からない問題は分からないと言える雰囲気をつくっておくことが大切です。
私も中学受験を経験しましたが、算数は得意でした。それは、分からないことがあると「なんか気持ち悪いな」と思って、放置することなく徹底的に取り組んで、弱点を残さなかったからです。当時母親が、間違った問題に目立つように印をつけたりと、管理してくれていたのも助けになりました。
最初はちょっと面倒に感じるかもしれませんが、疑問や理解不足があれば、まずはそこまで戻って基礎からやり直しましょう。その習慣が付けば、算数の定着度は格段に上がります。
速く正確に計算できればエネルギーの温存に
算数を伸ばす上で怠ってはいけないことが「計算力」を養うことです。計算力を高めておけば、問題を解く際に計算にエネルギーを使うことなく、問題文を読み解くことや解法を考えることに"脳のキャパ"を残しておくことができるようになります。