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組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

「当たり前のことを当たり前にやる」は使用禁止にすべきだ

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第49回】 2016年8月29日
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あなたは部下に「当たり前のことを当たり前にやれ」と言っていませんか?

 「当たり前のことを当たり前にやるのが大事」とは一体なんのことなのだろう。

 新入社員の頃、この言葉が大好きな上司がいた。私は大反発である。なぜなら私の働いていたリクルートでは、「人のやらないことをする」「世の中にない事業を創造する」ことが会社の公式の価値観であると宣言しており、私自身、それに共感して入社したからだ。

 当時は我慢できず、「当たり前のことを当たり前にやるのが大事なら、公務員や銀行員になった。あなたこそ会社の理念に反したことを言っている」と上司に激しく反発したものだった。

 実は私の職場に限らず、どこの会社にもこうした“当たり前おじさん”はいる。「当たり前のことを…」を部下に力説する彼らを見て、「当たり前教」という宗教でもあるのだろうかと思ったものだった。

 そんな「当たり前教」の人々を、様々な場面で注意深く観察してきたなかで、わかったことがある。同じ「当たり前のことを…」というセリフを言っていても、よくよく聞いてみると、人によってどんな意味を指しているのか、全く違っているのだ。

「当たり前のことを当たり前にやる」
“6つ”の意味合いとは?

 観察の結果、「当たり前のことを…」のセリフには、大きく6つの異なる意味があることがわかった。

【1】決まり事や手順を、確実に守れ
――「規範」(当たり前のこと)を「確実」(当たり前)に行うこと

 まず1つ目は、決まり事や手順を確実に守れ、という意味だ。時間を守り、身なりを整え、整理整頓などをきちんする重要性を強調する。そして勝手なことをすると人に迷惑をかけることをわからせようとする。ビジネスパーソンとしての躾(しつけ)を守らせるための発言だ。若手社員や問題児向けの言葉だと言っていいだろう。

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秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

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