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部下が育つ叱り方
【第4回】 2010年11月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
本間正人 [成人教育学博士]

「ほめる」はアクセル、「叱る」はブレーキ
両方使って部下をうまく走らせましょう

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 部下指導のひとつの考え方に、相手を「ほめる」ということがあります。「叱る」とは一見逆のことに思えますが、「叱る」と「ほめる」は、じつは基本的な考え方においては非常に近い存在だといえます。

 自動車を例に取ると分かりやすいのですが、アクセルは、スピードをあげるために重要ですが、それだけでは暴走したり追突してしまいます。また、ブレーキだけでも走ってくれません。その両方があってはじめて、自動車はその基本的な機能を果たすのです。

 管理職の指導方法についても、これと同じことがいえます。「ほめる」というアクセルだけでは部下は暴走してしまい、逆に、「叱る」というブレーキだけでは萎縮したり躊躇してしまい、能力を発揮できません。その両方を制御していくことが、管理職にとっての大切な役割なのです。

 そして、「ほめる」にせよ「叱る」にせよ、誰に対しても、あるいはどんなときでも同じアプローチをするということではなく、相手の置かれた状況や個性に応じて、ほめ方、叱り方を工夫していくことで、部下のやる気を引き出していく必要があります。

コーチングの考え方が効果的な「叱り」を生む

 効果的に叱るうえで大切なことは、人を活かし、人を育てるという考え方です。それを具体化する方法として、本書は「コーチング」の考え方を基本としていますが、ここで少し、コーチングの考え方をまとめておきましょう。効果的な「叱り方」をするうえで、重要な考え方ですので、ぜひ理解しておいてください。

 「コーチング」という概念は、1990年代のアメリカで大きなブームになり、企業経営の中でも、管理職にとってコーチング・スキルを身につけることが必須となってきました。日本でも、最近、「コーチング」という言葉が、さまざまなところで取り上げられるようになってきたようです。「コーチング」を漢字三文字であらわすと「信」「認」「任」に象徴されます。つまり、「人間の無限の可能性を信じる」「一人ひとりの多様な持ち味と成長を認める」「適材適所の業務・目標を任せる」ということです。

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本間正人 [成人教育学博士]

1959年東京生まれ。東京大学文学部社会学科卒業後、松下政経塾で松下幸之助の経営哲学を学ぶ。卒塾後、ミネソタ大学大学院修了(成人教育学博士、 Ph.D.)。ミネソタ州政府貿易局日本室長、松下政経塾研究部門責任者などを歴任し、現在、NPO法人学習学協会代表理事、帝塚山学院大学客員教授、NPOハロードリーム実行委員会理事などをつとめる。企業や地方自治体の管理職研修を担当しつつ、教育学に代わる「学習学」の構築を目指して、研究・講演活動を展開している。主なテーマは、コーチングの他、キャプテンシップ(プレーヤーとしてのリーダーシップ)、個人と組織の学習、戦略プランニング、創造力開発、学習スタイルなど多岐にわたる。NHK教育テレビ「実践ビジネス英会話」の講師などを歴任。コーチングやポジティブ組織開発、ほめ言葉などの著書多数。
ホームページ「らーのろじー株式会社」


部下が育つ叱り方

「コーチング」というと「とにかく相手をほめること」だと考えている人が少なくないようです。そのうえ、「叱る」ということを、相手に対して一方的に怒ったり、責めたりすることだと誤解していると、「コーチング」と「叱る」ことが対極に位置するものに見えてしまいます。効果的な「叱り方」を身につけ、実戦しましょう。

「部下が育つ叱り方」

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