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岸博幸の政策ウォッチ

産業競争力会議が「ダサい名前」に変更された理由

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第41回】 2016年9月16日
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 内閣改造後の安倍政権が、補正予算だけではなく今度こそしっかりと改革を進めるかどうかは、日本経済の再生のために死活的に重要です。それにもかかわらず、メディアの報道が連日築地市場の移転ばかりなのであまりクローズアップされませんが、本当に改革が進むのか疑問視せざるを得ない動きが既に散見されるようになっています。

外国人投資家に不評を買いかねない会議名の変更

日本経済再生のためには必須である安倍政権の改革。その足を引っ張る輩が官邸や経産省などにいるようです

 その一つは、“産業競争力会議”の“未来投資会議”への衣替えです。

 3年半前の安倍政権の発足時に、アベノミクスの成長戦略を検討する場として、産業競争力会議が官邸に設置されました。しかし、その後、官民対話など同じような趣旨の会合が乱立したため、それら乱立した会議を一本にまとめて衣替えということで、新たに未来投資会議が設置されました。

 これは既に報道されているのでご存じの方も多いはずですし、特にどうとも思わなかったはずですが、実はこの衣替えは特に外国人投資家にはあまり良いイメージを与えません。

 そもそもネーミングが悪すぎます。産業競争力会議ならば、産業の競争力を強化させるという目標がはっきりしていますので、その手段として産業政策のみならず規制改革などの構造改革も進めるだろうとイメージできます。実際、多くの外国人投資家が当初はそれを期待しました(今は裏切られたと感じてしまっていますが)。

 しかし、未来投資会議だと、名前からは政府が民間に投資を促す場だというイメージになりますので、構造改革よりも産業政策がメインという印象になってしまいます。実際、知り合いの外国のファンドの人間は皆そうした捉え方をしていました。

 “名は体を表す”と言われるように、ネーミングは非常に大事です。それにもかかわらず、なんでこのようなダサい名前にしたかというと、非常に経産省が好きそうな名前からして、おそらく官邸を牛耳っている経産官僚が仕切ったからではないでしょうか。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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小泉政権時代に竹中平蔵氏の秘書官を務め、数々の構造改革を立案・実行した岸博幸氏がテレビや新聞が決して報じない知られざる政治の裏側を暴きます。

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