ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

米で注目のうつ・自殺対策、日本独自の「無痛鍼灸」とは

木原洋美 [医療ジャーナリスト]
2016年9月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

日本の自殺者数は一時期のピークより減ったものの、先進7ヵ国の若年世代ではいまだに死因第1位を占め、深刻な事態を抜け出してはいない。自殺の多くは、うつ病などの「ココロの病」が原因と見られており、自殺予防対策には「ココロの病」の治療が欠かせない。最近、米国では、薬物治療中心の西洋医学だけでなく、鍼灸などの東洋医学も組み合わせた治療が注目され、特に日本独自の「痛くない鍼灸」への関心が高いという。その現状をレポートする。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

いまだ深刻な事態を示す
日本の自殺者の統計

代表的な東洋医学の鍼灸(写真はイメージです)

 日本の自殺者数は6年連続で減少し、昨年は、1998年に自殺者が3万人以上に急増する前の97年(2万4391人)の水準まで減った。

 だが先進7ヵ国における日本の自殺率の高さは依然突出しており、なかでも若年世代(15歳~39歳)の死因第1位が自殺というのは日本だけの特徴だ。

 日本財団が実施した、20歳以上の男女4万人を対象にした初めての大規模な調査では、「過去に本気で自殺したいと思ったことがある」という人が、4人に1人に上るという衝撃的な事実が明らかにされた。

 自殺をめぐる状況は、相変わらず深刻だ。

 自殺の原因・動機はうつ病や身体の病気など「健康問題」が最も多く、次いで「経済・生活問題」、「家庭問題」、「勤務問題」の順となっている。

 ただ2015年の統計では、「健康問題」が前年より6%減少したことが全体の数字引き下げに繋がった。内閣府の担当者は「うつ病への理解が広がり、対策が進んだ効果」と推察している。

 自殺を選ぶ人は総じて心理的に追い詰められ、うつ病や適応障害などの精神疾患を発症しているケースが多い。「経済問題」など、他の原因・動機にカウントされた人たちの中にも、うつ病を発症していた人はいたはず。

 つまり、うつ病患者や予備軍を早期に発見し、治療することができれば、自殺者はさらに減らせるのではないだろうか。

 そこで近年、注目されているのが、「痛くない鍼灸」による心のケアだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

木原洋美 [医療ジャーナリスト]

きはら・ひろみ/宮城県石巻市の漁村で生まれ、岩手県の山村で幼少期を過ごし、宮城県の穀倉地帯で少女時代を送る。明治学院大学在学中にコピーライターとして働き始め、20代後半で独立してフリーランスに。西武セゾングループ、松坂屋、東京電力、全労済、エーザイ等々、ファッション、流通、環境保全から医療まで、幅広い分野のPRに関わる。2000年以降は軸足を医療分野にシフト。「常に問題意識と当事者感覚を大切に取材し、よ~く咀嚼した自分の言葉で伝え、現場と患者の架け橋になる」をモットーに、「ドクターズガイド」(時事通信社)「週刊現代 日本が誇るトップドクターが明かす(シリーズ)」(講談社)「ダイヤモンドQ」(ダイヤモンド社)「JQR Medical」(インテグラル)等で、企画・取材・執筆を深く、楽しく手掛けてきた。2012年、あたらす株式会社設立(代表取締役)。2014年、一般社団法人 森のマルシェ設立(代表理事)。森のマルシェでは、「木を遣うことが森を守ります」の理念を掲げ、国産材の樽で仕込む日本ワインやバルサミコ酢の開発等、国産材の需要を開拓する事業に取り組んでいる。


ニュース3面鏡

インターネットの登場以来、以前にもまして巷にはニュースがあふれ返っています。そうしたニュースや出来事の中から、DOL編集部が気になる出来事を厳選し、正面のみならず右から左から、価値あるニュース、楽しいニュースをお届けします。

「ニュース3面鏡」

⇒バックナンバー一覧