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高橋洋一の俗論を撃つ!

民進党は経済政策を見ても前途多難だ

高橋洋一 [嘉悦大学教授]
【第153回】 2016年9月22日
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Photo:AFLO

党内体制に手間取り
前途が容易でない民進党

 蓮舫新代表の民進党内人事がうまく進んでいない。幹事長は決まったものの、党内体制に手間取っている。蓮舫氏の二重国籍問題に加えて、政治家として最も重要な党内人事の不手際で、民進党の前途は容易でない。最新のある世論調査では、民進党は政権を担えないとする意見が75.8%にもなっている。蓮舫新代表でのご祝儀による民進党支持率アップもなかった。

 野田佳彦幹事長は仰天人事だった。野田氏は「シロアリ演説」が有名だ。天下り官僚をシロアリにたとえて、「シロアリが税金を湯水のように使うので、シロアリ退治の前に増税はできない」というものだ。まったくその通りで、そのシロアリ退治を期待して民主党への政権交代が行われたといってもいい。

 ところが、民主党政権は迷走を重ねて、野田氏が首相の時、シロアリ退治をまったくしないまま「4年間は消費税を上げない」という公約破りの消費増税を決めてしまった。野田氏は、人間的にはいい人なのだが、すっかり財務省に洗脳されてしまって、戦後政治経済史に残るような大失敗をしてしまい、結果として衆院解散(2012年)で民主党政権をぶっ壊してしまった。国民の中には「ダマされた」という思いが残っている。

 民進党は、蓮舫代表が二重国籍問題でウソをついたので、過去にウソをついた野田幹事長と合わせて、「ウソつきコンビ」だと揶揄されている。

 政調会長に内定している大串博志氏は、財務省出身である。性格はいいが、財務省のDNAそのままで、野田幹事長と組んだら財務省が日頃主張する緊縮財政、増税一直線が予想される。民進党そのものが、財務省党と名前を変えたほうがいいのではないかと思える党内人事である。

 これは民進党の体質を表しているともいえる。

 もともと、代表戦に出馬した3人について見ると、3人ともに安倍政権に比べると緊縮財政と金融引き締めである。緊縮財政といわざるを得ないのは、3人ともに10%への消費増税に賛成であるからだ。しかも、安倍政権の金融緩和に3人はしばしば批判的であるので、金融引き締めを指向している。

 この3人ともに、旧民主党時代のマクロ経済政策とほぼ同じであり、どうして安倍政権に負けて政権交代になったのかをまったく勉強していないといわざるをえない。

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高橋洋一[嘉悦大学教授]

1955年、東京都に生まれる。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。1980年、大蔵省入省。理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室)、総務大臣補佐官などを歴任したあと、2006年から内閣参事官(官邸・総理補佐官補)。2008年退官。金融庁顧問。2009年政策工房を設立し会長。2010年嘉悦大学教授。主要著書に『財投改革の経済学』(東洋経済新報社)、『さらば財務省』(講談社)など。

 


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