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田中秀征 政権ウォッチ

北朝鮮砲撃を直ちに非難しなかった菅首相
実は“重大な勘違い”をしていたのではないか

田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]
【第60回】 2010年12月2日
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 北朝鮮軍が11月23日午後2時半過ぎ、韓国の大延坪島を砲撃した。

 この衝撃的な第一報で私はテレビにかじりついたが、同時にこれは菅直人首相の名誉挽回の大きなチャンスにもなると考え、期待を込めて首相の動向に注目した。

 だが、いつまでたっても首相のメッセージは発せられない。私のいら立ちは頂点に達した。

 ようやく記者団の前に姿を現したのは5時過ぎ、「国民に備えが万全だと言える態勢を作りたい」と述べ、質問も受け付けなかったという。情報収集や不測の事態に備えることを各省に指示したと言うにとどまった。何と肝心な北朝鮮に対する非難のメッセージはなかったのである。

北朝鮮への非難は一切なし
第一声に欠けていた「3つのメッセージ」

 私が期待したのは、できる限り早く、他国より先にメッセージを発すること。しかも首相自ら内外に向けて正式に会見を行うこと。

 言うべき内容ははっきりしている。

(1)北朝鮮の“暴挙”に対して最大限の強い言葉で非難すること。

(2)韓国に対して明確な支持を表明すること。

(3)国際社会が結束して北朝鮮に対抗するよう強い期待を述べること。

 しかし、首相の最初の発信はこれら3点を含まず、まるで秘書官の事務報告の域を出なかった。

 そして、仙谷由人官房長官が非難声明を読み上げたのは、7時間過ぎた午後9時48分になっていた。米国より3時間遅く、ロシアにも先を越された。

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田中秀征 [元経済企画庁長官、福山大学客員教授]

1940年長野県生まれ。東京大学文学部、北海道大学法学部卒業。
83年、衆議院議員初当選。93年6月、新党さきがけ結成、代表代行。
細川政権発足時、首相特別補佐。第一次橋本内閣、経済企画庁長官。
現在、福山大学客員教授、「民権塾」塾長。


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かつて首相特別補佐として細川政権を支えた田中秀征が、期待と不安に溢れた現政権の動向を鋭く斬り込む週刊コラム。刻一刻と動く政局をウォッチしていく。

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