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お坊さんの「人柄」重視!アマゾンとは一味違うお寺紹介サービス

吉田由紀子
2016年9月29日
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「宗教はビジネスではない」と物議をかもした、Amazonの「お坊さん便」。一方で、サービスは盛況で、お寺との接点が希薄な都市部でも、何かあればお坊さんに頼るというニーズがあることを世に示した。今回は、より理想的なお寺との付き合い方を提案するWebサービスをご紹介する。

物議をかもしたがサービスは盛況
「お坊さん便」ヒットに見る檀家制度の衰退

 みなさんは最近、お寺へ行ったことがあるだろうか。寺院めぐり、仏像鑑賞、御朱印収集、座禅体験――、現代において、お寺との接点は多種多様だ。もちろん、伝統的な供養や墓参りで訪れる人も多いだろう。

僧侶の人となりや寺院の運営状況などを開示し、お寺との新しい付き合い方を提案する「まいてら」。引っ越しなどでお寺との付き合いが希薄になった人でも、いざというときに頼れるお寺はあった方がいい(写真は神奈川県妙法寺住職の久住謙昭さん)

 日本には現在、7万7000の寺院がある。しかし、観光客が訪れるような有名寺院は、全体の5%にも満たない。

 残りはいわゆる「檀家寺」である。檀家を持ち、葬儀や法要などで運営している寺院だ。地域に根ざし、伝統を受けついできたこの檀家寺が、いま全国から減りつつある。人口減少によって寺そのものが成り立たたず、廃寺に追い込まれるところも少なくないのだ。

 昨年12月、Amazonに登場した「お坊さん便」は、そんな世相を如実にあらわしていた。3万5000円という均一料金で僧侶を法要に派遣するこのサービス。宗教の商品化という批難もあったが、ふたを開けてみればユーザーには好評で、一時は「売り切れ」になるほど注文があったという。

 その背景には、伝統的な仏事の衰退がある。とりわけ都市部の住民は、お寺とのつながりが薄く、引越しなどで縁が途切れるケースも少なくない。とはいえ、家族の法要ぐらいは営みたいとなれば、僧侶派遣のサービスは実に便利なものだ。

 その一方で、お坊さん便と対照的とも言えるサービスが、この7月に始まった。「まいてら」は、一般社団法人「お寺の未来」が運営する寺院のポータルサイト。お寺との良き縁を求める人と、それにふさわしいお寺とをつなぐことを目的としている。

 使い方は簡単だ。都道府県、目的、宗派を選んで検索すれば、それに応じた寺院が表示される。目的リストは法事、座禅、法話会、写経、御朱印といった伝統的なものから、ペット供養、寺カフェ、ヨガ、グリーフケア(死別の悲しみを癒すケア)、子ども向けイベントといった現代風な催しまで多種多様。フリーワードで検索することもできる。 

 他の寺院紹介サイトと異なり、この「まいてら」が重視するのは、お寺の顔とも言えるお坊さんやお寺スタッフの「人柄」。寺院の紹介ページを見てみると、お坊さんの写真とメッセージが冒頭に登場する。

 例えば、神奈川県の妙法寺は、住職の久住謙昭さんの笑顔とともに「春は夜桜、夏はほおずき市、秋は万燈講、冬は除夜の鐘など、季節を感じられる様々なイベントを開催しています」と紹介。人気の流しそうめん大会やコンサートの様子が掲載されている。住職のインタビューも載っており、どんな人柄なのか詳しくわかるページになっている。

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