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一生を賭ける仕事の見つけ方
【第9回】 2016年10月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
斎藤祐馬

世の中になかった職業を、自分でつくってしまえ!
“サムライ”榊原氏に学ぶモチベーションの高め方
サムライインキュベートCEO・榊原健太郎×斎藤祐馬 原体験対談【前編】

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2008年、ベンチャーに対する視線が最も厳しかったときに、スタートアップ期の「ベンチャー支援」を掲げて「サムライインキュベート」を起業した榊原健太郎氏。現在は国内外の100を超える企業に投資するだけではなく、イスラエルに進出するなど、次々と新たな、そして難しい挑戦を続けている。果たしてそのモチベーションは、どこから生まれているのか?
同じくスタートアップ企業の支援をミッションとする「盟友」斎藤祐馬氏が、著書『一生を賭ける仕事の見つけ方』で大好評のノウハウ「感情曲線」をもとに、榊原氏の「モチベーション」の原点に迫る!

超ポジティブ×芸術家気質×応援団長
――原体験は、辛いものとは限らない

斎藤 書籍で最も好評だったのが、「感情曲線」というノウハウなんです。これは、これまでの人生でよかったとき、悪かったときを振り返り、その人生の「振れ幅」から原体験を導き出して、すなわち自分だけの人生のミッションを見つける、というものです。

図1)「感情曲線」とその描き方(『一生を賭ける仕事の見つけ方』49ページより) <拡大画像を表示する>

 今日は、榊原さんに「感情曲線」を描いてもらい、原体験をお聞きすることで、なぜ榊原さんがどんどん新しい挑戦ができるのか、これから何を目指しているのか、そういったものを明らかにできれば、と考えています。

榊原 わかりました!お願いします。

斎藤 いま、榊原さんのご年齢は?

榊原 41ですね。……小学校のころ、楽しかったな。

斎藤 ……なるほど。イスラエルに進出されたのは?

榊原 39歳です。イスラエルに行った後は、2回ぐらい、ちょっと直角みたいな感じで……。

図2)榊原氏自筆の「感情曲線」。小学校高学年での大きなプラス、40歳前後の極端な上下動が特徴的  <拡大画像を表示する>

斎藤 うわ、すごいですね。前回の対談で、テラモーターズの徳重さんが、まさに感情曲線の<谷>のときに、パワーが生まれたとおっしゃっていました。すごく辛かったけど、だからこそ、より熱が生まれて走り切れる、と。そういったことも含めて、どういう人生を過ごしてきたかを、簡単にお話しいただけますか。まず、お生まれは?

榊原 生まれは名古屋ですね。両親は、琴・三味線屋さんです。僕、5代目で。この先、継がないといけないんです。父親は職人で、芸術家気質で、あまりしゃべってくれない感じでした。実は、この寡黙な父親、という側面からは大人になってから大きな影響を受けています。

 母親は何に対しても反対しない人ですね。すべて、やることに反対をしない。というのも、超ポジティブなんです。

斎藤 榊原さんよりですか?

榊原 たぶん僕の10倍くらいポジティブですね。反対されたこともないし、勉強しろって言われたこともない。たとえば、普通、イスラエルへ行くって、旅行に行くだけでも反対されますよね。でも、イスラエルに行ってビジネスをすると言っても、上京するのとあんまり変わらないくらいで。さすがに心配するかなと思ったら、まったくなくて。

斎藤 お母さまの影響、きっとありますね。

榊原 そうですね。絶対的に。琴・三味線って継がなくちゃいけないかなと思ったんですけど、べつに好きなことしていいよってずっと言ってもらえたんです。だから、いま、好きなことをやっているっていう。

斎藤 お父さまからは、どんな影響を受けました?

榊原 芸術ですね。僕、デザインとか実は好きなんです。オフィスの空間づくりとか、モノづくりとか。本当は建築士とかやりたいぐらいで。

斎藤 榊原さんのビジョナリーの要素というか、みんなに夢を見せるようなところは、そういうところから来ているのかもしれないですね。

榊原 あとは商売人、というのは大きく影響しています。

斎藤 先ほど、感情曲線を書きながら「小学生のころが楽しかった」とおっしゃっていました。実際、感情曲線もかなりプラスのほうに振れています。何があったのでしょうか?

榊原 そうそう、小学校5~6年、ここが楽しかった。このとき、小学校で応援団長とかやっていて。今の僕みたいな感じなんですよ。要は、みんなの前へ出て先導していく、みたいな感じだったのがこのころでした。声がデカくて、おもしろかった、というだけでしたけど、このころの自分が理想です。

斎藤 なのに、中学生に入った瞬間から、結構長い間、マイナス側に落ち込んでいます。

榊原 そうですね。なんというか、与えられたことをがんばらなくちゃいけないってなってなっちゃいましたね。ガリ勉ですね、とりあえず。

斎藤 何か目標があって勉強していたとか?

榊原 いや、テストでいい点をとるためだけです。成績のためで、目標も何もないです。課題を与えられていると思っていて、それをクリアするっていうだけでした。

斎藤 それをマイナスのほうに振っているっていうのは、かなり辛かったということですか?

榊原 もうちょっと、友だちつくったりとか、サークルや部活を楽しんだりしてもよかったのかなっていう感じです。ずっと、どうやったら、この(小学校5~6年の)自分に戻れるのかな、と考えていました

斎藤 「応援団長」は、かなり強い、プラスの「原体験」だったんですね。

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斎藤祐馬[さいとう・ゆうま]

トーマツベンチャーサポート株式会社 事業統括本部長。公認会計士。
1983年生まれ。中学生のとき、脱サラして起業した父親が事業を軌道に乗せるのに苦労している姿を見て、「事業を立ち上げたばかりの起業家を支援する人がいればいいのに」と何度も思い、やがてベンチャーの「参謀」を志す。
2006年、4度目の挑戦で公認会計士試験に合格し、監査法人トーマツ(現・有限責任監査法人トーマツ)入社。会計監査やIPO支援業務に携わるものの、スタートアップ期のベンチャーへの支援ができないものかと悩み、単独でベンチャー支援を始める。
2010年、トーマツ内で休眠していたトーマツベンチャーサポート株式会社(略称TVS)の再立ち上げに参画する。従来の公認会計士の枠には収まらない「ベンチャー支援」という活動に対して当初は理解を得られず、社内からは逆風も吹くが、一つひとつ壁を越え、社内外に仲間を増やし、大きく成長するに至った。現在は、「挑戦する人とともに未来をひらく」というビジョンのもと、国内外で奮闘する100名以上のメンバーとともに、ベンチャーだけではなく、大企業、海外企業、政府、自治体などとも協働し、自らのミッションを生きる日々を送っている。自らの思いを「一生を賭ける仕事」につなげたその経験には、大学、企業、自治体などから講演の依頼が絶えない。
2013年4月より、現在は「起業家の登竜門」と呼ばれるようになった「モーニングピッチ」を仲間とともにスタート。これまでに700を超えるベンチャーの登壇を実現したモーニングピッチは、大企業やベンチャーキャピタル、メディアとの出会いの場をベンチャーに提供する、日本有数のプラットフォームとなっている。


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