ビジネス英語の最難関、「特許翻訳」のプロフェッショナルが、英語習得の最短ルートを提案!
コツはたった1つ。主語、動詞、目的語の「3語」を並べるだけ。
SVO(誰かが、何かを、する)を極めることが、すべての基本。
新しい文法、単語、構文の暗記はいりません。
「伝わる英語は、やさしい英語」をモットーとし、最新刊『会話もメールも 英語は3語で伝わります』の著者である中山氏に、その詳細を語ってもらいます。
主語(動作主)を見つけよう
日本語は、「主語(動作主)」をあまり言わない傾向があります。一方英語では、動詞から始める命令文を除いて、「主語(動作主)」は必須の要素です。
そこで、例えば次の内容を英語で伝えるとき、「主語を何にしようか」と迷ってしまうことがあります。
「パスワードを忘れてしまった」
→誰がパスワードを忘れたか不明。
「問題が生じています」
→誰にとって、どのような問題が生じているか不明。
具体的な例文を見てみましょう。
「パスワードを忘れてしまった」
A password was lost.
この英文は、「パスワードが失われてしまった。誰がどのような状況でなくしたのかはわからない」ということを伝えています。この種の受動態の文は、「他人事」のような印象を与えます。
日本語では、「私」や「あなた」といった主語を省略することが多くあります。
英語で文を組み立てるとき、動作をする人は誰か(または動作するモノは何か)を考え、動作主を主語として使うように組み立てましょう。そうすることで受動態を避けることができます。「私= I」を主語にして、能動態で表してみましょう。
I lost my password.
I forgot my password.
主語・動詞・目的語を並べる3語の英語。「私はパスワードを忘れてしまった」と明快に表すことができています。もとの英文A password was lost. と同じ語数を使って、より明快に、状況を表現できます。
「問題が生じています」
この文の英語の主語は、何にするとよいでしょうか。「問題」は、誰に対して生じているのかがわかりません。その結果、次のような文となってしまいがちです。
There is a problem. (問題がある)
A problem has occurred. (問題が起こっている)
これらはいずれも正しい文です。しかし、これらの文が伝えているのは「問題がある・起こっている」という事実だけです。切迫感もなければ、その問題がどういうものなのか、ということについての情報もありません。
そこで、「3語の英語」の出番です。思い切って、主語を「人」に決めてみましょう。すると、どうなるでしょう?