次々と現れては消えた、有力売却先

ツイッター身売り話は消滅?<br />この先どうなるのかツイッターの本社が入るビル(米国サンフランシスコ)Photo by Noriko Takiguchi

 ツイッターは一体どうなるのか。

 ここ数週間、グーグルの親会社アルファベット、アップル、ディズニー、マイクロソフト、セールフフォース、ベライゾンなど、テクノロジーおよび通信大手の企業名が次々と出てきて、ツイッター買収を目論んでいるとされてきた。そのたびにツイッター株は上がったり下がったりと変動し、買収をかける企業の株もその可能性への評価を反映した動きを露にしていた。

 ところが、ここ数日は買収話がすっかり影を潜めてしまったのだ。売却先として有望に見えたアルファベットやディズニーは早々に引き上げ、最後にマイクロソフトとセールスフォースが残っていると思われていたものの、ツイッターCEOのジャック・ドーシーが社員に送っていたメッセージが10月10日に外部に漏れた。

 その前週に記されたというメッセージでは、買収についての言及が一言もなく、ただただ社内を鼓舞するためのことばが続いていたという。ツイッターは「人々がニュースを得るためのネットワークだ」「人生は短い。1日1日が大切だ。ツイッターを毎日利用する人々のために、僕たちはベストを尽くさなくてはならない」「僕らならできるはずだ!」といった内容だ。

 現在3億1300万人のユーザーを抱えるツイッターは、近年ユーザー数の伸び悩みと収入減に悩まされてきた。アクティブユーザーは直近の数字によると前年度に比べて3%しか増えず、依然として確固としたビジネスモデルもない。

 その中で、当初は消極的だったドーシーも、ツイッターのサービスがバラバラにされないという保証があるならば、という条件で、売却に乗り気になっていたという。そして、買収話に寄ってきた各社にはそれぞれ、ツイッターを手に入れた際の利点があった。

 たとえばアルファベットならば、グーグルが未だ成功し損ねているソーシャルネットワークを強化することができる。マイクロソフトならば、人々があからさまにつぶやいている内容を機械学習して今後の戦略に役立てていくことが可能だ。ディズニーは意外な候補に見えるだろうが、ライブ・ビデオという最近のツイッターの戦略を考えると、サービスを統合する先としてかなり有望視される。