ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside Enterprise

百貨店の秋冬商戦、気温急低下で玉不足

週刊ダイヤモンド編集部
2010年12月17日
著者・コラム紹介バックナンバー

 「じつは、あまり在庫がないんです。今年は急に気温が下がったので、例年以上に売れてしまって」。東京都内百貨店の婦人服売り場で、販売員がこう説明する。

 この秋冬、百貨店で婦人コートなどを中心に商品不足が発生している。

 背景はいくつかある。

 まず、2008年秋のリーマンショック以降の長引く百貨店不況で、アパレルは在庫リスクに敏感になり生産調整をしてきた。特に今年は猛暑が長引き、9月中旬まで秋物衣料の動きが鈍かったため、いくつかのアパレルが生産をさらに絞り込んだ。

 そこに重なったのが、尖閣諸島問題だ。中国生産品では、検閲などで商品輸送が遅れたのに加え、提携工場で賃上げなどを求めるストライキが勃発し、商品調達に狂いが生じる事態になった。

 こうして供給が細っていたところ、10月に入ると一転して気温が低下した。気温の寒暖は衣料品の売れ行きにとってプラスに働く。消費者の節約疲れも相まって、この10月は、2年8ヶ月ぶりに全国百貨店の売上高が前年同月を上回った。

 特に売れ行きがよかったのがコートなどの重衣料である。大手百貨店の婦人コートの売れ行きは、前年同月比で、高島屋が10月19.7%増、11月は12.7%増。伊勢丹新宿店は11月9.5%増といった具合だ。

有楽町西武では、12月25日の閉店に向けて閉店セールの真っ最中。 セールに商品が流れ、商品不足にますます拍車がかかりそうだ。

 この需給ギャップで、百貨店売り場では婦人コートを中心に品薄感が出ているのだ。ある大手百貨店は「百貨店なので商品在庫がゼロになってしまうということはない。ただ、サイズや色で欠品が出ている」と説明する。

 さらに東京都区部では、12月25日に閉店する有楽町西武が閉店セールの真っ最中。12月は前年同月比2.3倍という勢いで売上高が推移している。この閉店セールに商品が流れれば、正月のクリアランスセールを前に、ますます百貨店同士で商品の奪い合いが激化することになる。

 限られた商品をアパレルが優先的に流すのは、売れる店舗だ。売れ行き不振の店舗は、欠品が多くなり、消費者離れを起こすという悪循環に陥りやすくなる。この年末年始商戦は、百貨店の優勝劣敗にますます差をつけることになるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

今週の週刊ダイヤモンド

2017年3月4日号 定価710円(税込)

特集 文系こそ学べ 勝つための絶対スキル データ分析

統計分析 Excel入門 データに強くなる

【特集2】
コーヒービジネス大活況
サードウェーブの次に来る波

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside Enterprise

日々刻々、変化を続ける企業の経営環境。変化の中で各企業が模索する経営戦略とは何か?『週刊ダイヤモンド』編集部が徹底取材します。

「inside Enterprise」

⇒バックナンバー一覧