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パナソニックと三洋電機が
「虎の子」乾電池めぐり火花

週刊ダイヤモンド編集部
2010年12月17日
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手塩にかけて育てたキャラクターらも淘汰の危機? 三洋電池の「エネルーピー」(上)とパナソニックの「エボルタ」(下)

 パナソニックと、来春までに完全子会社化される三洋電機が、お互いに「虎の子」の電池ブランドの生き残りをかけて対立し、火花を散らしている。

 注目を集めているのは、繰り返し充電できる家庭用のニッケル水素電池(乾電池)のブランド。国内では年間3000万本以上(単3形、単4形)が販売され、三洋電機の「エネループ」が60%以上、パナソニックの「エボルタ」が30%以上と、両ブランドで市場シェアをほぼ2分している。海外ではエネループの知名度が高く、欧米の環境先進国を中心に約60ヵ国で年間約2000万本を売り上げている。

 しかしパナソニックが競合する両ブランドの統一方針を未定としているため、ブランドの生き残りについて、水面下で不安や不満がくすぶってきた。そんな思いが表面化したのが、両ブランドの晴れ舞台がバッティングした11月22日だった。

 三洋電機は同日、エネループ5周年を祝う「5歳の誕生パーティ」を開いた。エネループは2005年11月、巨額赤字や創業家の井植敏会長の辞任に苦しんだ時期に売り出され、大ヒット商品として同社を支えたブランド。主な生産施設は富士通傘下のFDKに売却したが、商標は保持しており、過去5年間で1億4000万本以上を出荷した実績がある。会場ではマスコットの「エネルーピー」が来場者に愛敬を振りまいた。

 一方、パナソニックは、PRキャラクターのロボット「エボルタ」を使ったイベント「東海道五十三次走破」の最終日で大わらわ。08年10月に発売された充電式エボルタは当時、エネループを超える充電回数1200回をうたい文句に、シェアを拡大。東京・日本橋から約500キロの道のりを経て、この日に京都三条のゴール地点にたどり着き、詰めかけた観衆から大きな拍手が上がった。

 「なにも同じ日にしなくても……」。グループ会社同士のバッティングを残念がる社員らがいた一方、「販売ではライバル関係にあり当然」という声も。パナソニック広報室は「日程が重なったのはまったくの偶然」と説明している。

 また国内最大級の環境展示会「エコプロダクツ2010」(12月9~11日)では、本来なら充電式乾電池の格好のアピールの場のはずだが、双方のブランドへのこだわりゆえに、出展方法について調整が難航。その結果、電池ブランドは「あえて両方とも表に出さなかった」(関係者)。

 もっとも、国内シェアをほぼ制圧する両ブランドは、「急いでブランド統一するより、併存させたほうがシェアを保てる」という意見があるのも事実。エネループとエボルタの行方は、ほかにも白物家電など競合商品を抱えるパナソニックと三洋電機のブランド統一戦略を占ううえでも、目が離せない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 後藤直義)

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