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情報戦の裏側

USJ大炎上「呪い人形」事件はどこで間違えたのか?

窪田順生 [ノンフィクションライター]
【第3回】 2016年10月21日
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神社に供養のためにおさめられた日本人形を借り受け、お化け屋敷をつくったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が、日本人形協会から猛抗議を受け、ネットでも炎上している。事の是非はさておき、USJはメディア対応や事前のリスク洗い出しなど、多くの点で失敗している。(ノンフィクションライター 窪田順生)

初動対応のマズさで
USJがネットで炎上

 「リ・ボーン! さあ、やり過ぎよう、生き返ろう」のかけ声で15周年記念を盛り上げるユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に、「やり過ぎ」の批判が寄せられている。

USJが人形を借り受けた淡嶋神社は、長らく日本人形協会とは犬猿の仲。今回の抗議は、事前に十分予想できたはずのものだ(写真はイメージです)

 18日、人形メーカーなど全国約400社が加盟する日本人形協会が、USJに対して抗議文を送付したと発表した。

 問題とされたのは、人形供養で知られる和歌山県の淡嶋神社から借り受けた、600体以上の日本人形を用いた迷路型お化け屋敷「祟(TATARI)~生き人形の呪い~」だ。USJのみならず、淡嶋神社も抗議文送付の対象となった。

 日本人形協会の「日本人形を呪いや祟りといった恐怖の対象として扱っており、メーカーや小売業者への営業妨害になる」という抗議文が大きく取り上げられ、「さすがに本物の人形はダメでしょ」「元の持ち主の許可を得ていないのはよくない」という批判が、USJや淡嶋神社に向けられる事態となったのだ。

 この話に対しては、みなさんもいろいろな意見があるだろうが、ここまで「批判色」が強くなってしまったひとつの要因には、USJの「初動対応」のマズさがある。

 抗議を報じたメディアの第一報では、USJ側のこのような対応が報じられた。

《USJは「抗議文の指摘は法的な根拠に基づいたものではなく、アトラクションは予定通り続ける。ただ、貴重な意見として参考にしたい」とコメントしている》(時事通信10月18日)

 外資系企業にはこういう決まり文句が多いのだが、日本の広報コミュニケーションでは、「被害者」を名乗る人がいるリスク下では、法律論を持ち出すのはご法度とされる。俳優・高畑裕太氏が釈放された際、弁護士が「違法性の顕著な悪質な事件ではなかった」という声明を出して大騒ぎとなったように、いたずらに議論を活性化し、ネガ論調を長引かせるだけだからだ。

 実際にこのコメントによって、ネットでは「法的にセーフでも社会常識としてアウトだろ」などのツッコミはもちろん、「奉納したのだから所有権は放棄しているのでは」「貸し出しているだけだから問題ない」など喧々囂々と議論が活性化。結果として、「燃料」が投下されたような形になってしまったのだ。

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窪田順生 [ノンフィクションライター]

くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。
著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。


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