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「明朗会計」的な情報開示で寄付側も満足
寄付の新しい形を示した「ドーナーズチューズ」

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第126回】 2010年12月22日
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 年末は、アメリカも寄付のシーズンになる。クリスマス・プレゼントを恵まれない人々にも贈ろうという気分になる人々が多いからだ。

 そうした中で、これまでの「寄付」の概念をすっかり変えたサイトがある。ドーナーズチューズ(Donorschoose.org)である。

 ドーナーズチューズの寄付の対象は学校だ。アメリカでは各州の財政難により、どの公立学校も資金不足にあえいでいる。先生が少なくなり、教材はお粗末になり、施設のメンテナンスもできない。生徒の親がボランティアに借り出されて、学校でコピー取りや草むしりをしたりするのは当たり前の風景になっているほどだ。

 ドーナーズチューズは、インターネットの力を利用して、普通の人々から寄付金を募り、教材費や施設費を賄おうというもの。寄付者が自分で寄付したい学校やプロジェクトを捜して、希望額を寄付するという仕組みだ。ドーナーズチューズとは、文字通り「寄付者が自分で選んで下さい」という意味だが、このサイトには常時何1000人もの先生から寄せられた寄付願いが掲載されており、それをユーザーが自身の興味や主義によって、ピンポイントに選ぶというわけだ。

寄付を募る側が
その使い道を示す

 サイトをちょっと覗いてみよう。

 たとえば、カリフォルニア州オークランド市の小学校の先生から、こんな訴えがある。「アメリカの61%貧困家庭には本がなく、子どもたちにも読書の習慣がつきません。この地域も同じで、その上97%の生徒がヒスパニック語を母国語としているため、英語の本が読めません。読書の習慣をつけるために、本を揃えたいのです」。

 寄付を考えているユーザーは、こうしたサイトをいろいろ見て回り、自分の関心に合った対象を選んで寄付する。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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