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弁護士・永沢徹 企業乱世を読み解く

新卒者の「自宅待機」が続発
「内定取消」問題は終わっていなかった!

永沢 徹 [弁護士]
【第61回】 2009年4月17日
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 東証1部上場で繊維染色大手のセーレン(福井市)が入社式の直後、新入社員101人のうち72人に、「自宅研修」との名目で約半年間の自宅待機を命じていることがわかった。この他、富山市にある自動車部品メーカーの田中精密工業も4月に入社した新入社員ほぼ全員にあたる30人を3~6ヵ月間、同市の不二越も新入社員73人全員を6ヵ月間自宅待機させている。

 いずれの企業もその間、賃金の6~8割程度にあたる休業補償を支払うという(労働基準法により、休業扱いとなった従業員には、最低賃金の6割を補償しなければならないため)。
 
 実はこの、新入社員の「自宅待機」は、昨年度話題になった「内定取り消し」の延長線上で発生した問題といえる。いや、むしろ「内定取り消し」が形を変えて表面化した結果といえるかもしれない。

 それはいったいどういうことか――。その前に改めてここで、日本綜合地所の内定取り消し問題について振り返ってみよう。

「内定取り消し」企業名公表へ
社会的なリスクを負う企業

 日本綜合地所の内定取り消し問題は、昨年秋に大きくメディアでも取り上げられ、社会問題となった。同社の内定者は53人。10月1日に内定式も行なっており、その際、社長自らが「マンション業界は不況だがうちは大丈夫」と発言していたにもかかわらず、翌11月に入って電話で全員に内定取り消しを通告。それに伴うお見舞金も当初は42万円だけだったという。その後お見舞金を100万円に増額したが、一連の内定者に対するずさんな対応が明るみとなり、同社は社会的批判を受けることとなった(その後、同社は今年2月に経営破綻。東京地裁に会社更生の申し立てを行なった)。

 この日本綜合地所にとどまらず、業績悪化を理由に内定取り消しを行なった企業が相次いだのだ。

 そこで、事態を深刻に受け止めた厚生労働省は、新規学校卒業者の採用内定取り消し防止策を導入。今年1月19日から、「内定取り消しの内容が、厚生労働大臣が定める要件に該当するときは、その企業名を公表することができる」とし、職業安定法施行規則を改正した。社名公表の基準となる要件は、以下の通りである。次のいずれかに該当する場合、内定取り消しを行なった企業として、世間に企業名が公開されることになったのだ。

1)2年度以上連続して行なわれたもの
2)同一年度内において10名以上の者に対して行なわれたもの
3)事業活動の縮小を余儀なくされているものとは明らかに認められないときに、行なわれたもの
4)次のいずれかに該当する事実が確認されたもの
・内定取り消しとなった新規学卒者に対して、内定取り消しをせざるを得ない理由について十分な説明を行なわなかったとき
・内定取り消しとなった新規学卒者の就職先の確保に向けた支援を行なわなかったとき

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永沢 徹 [弁護士]

1959年栃木県生まれ。東京大学法学部在学中に司法試験合格。卒業後の84年、弁護士登録。95年、永沢法律事務所(現永沢総合法律事務所)を設立。M&Aのエキスパートとして数多くの案件に関わる。著書は「大買収時代」(光文社)など多数。永沢総合法律事務所ホームページ


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