なぜ一流のリーダーは部下の都合を尊重するのか「あなたのために自分の時間を使ってあげたい」と思ってもらうために、何からはじめますか?

 「もっと時間があれば成果があがるはず」
 「時間がどんなにあっても、仕事が終わらない」
 「もう少し時間さえあれば、ミスをせずにすんだのに……」

 日々、そう思いながら働いていませんか?

 皆さんのようなビジネスエリートの方々は、短期間で成果をあげることを求められ、緊張と不安で押しつぶされそうになっているかもしれません。

「もっと時間があれば……」と思う人も少なくないでしょう。はたして、「時間」さえあれば、すべて解決するのでしょうか?

時間を味方につけ、
楽しく仕事をしている!

 まず、一流のリーダーはどのように「時間」を捉えているのか、それがわかるエピソードをご紹介しましょう。

 私が秘書として補佐した上司の多くは、大きなミッションを与えられ、短期間でチームをまとめ、成果をあげなければならず、恐ろしいほどの仕事量を抱えていました。

「どんなに時間があっても足りないのでは」といつも心配していましたが、当の本人は、時間を味方につけ、飄々(ひょうひょう)と楽しそうに仕事をしています。

 ある時、当時の上司に、次の質問をしてみました。

私:「Aさんにとって、時間とはどういうものですか?」

上司:「えっ、突拍子もない質問だなぁ。しいていえば……人はよく、‘Time is Money'(時は金なり)と言うけど、僕はそう思わないかな」

私:「それでは、どのようにお考えなのでしょうか?」

上司:「‘Time is more than Money'(時は金以上のものである)」

私:「それは、つまり、Time = Money(時間はお金と同じ価値)ではなく、Time > Money (時間はお金より価値がある)ということですか?」