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日本を元気にする経営学教室

特別編・座談会
「日本企業の現場は本当に大丈夫か」(第1回)
―「現場力」の急低下に危機感を持て―

早稲田大学ビジネススクール教授 遠藤 功 × 神戸大学大学院経営学研究科教授 加登 豊 × 慶應大学ビジネススクール校長 河野 宏和 × 京都大学大学院経営管理研究部教授 成生 達彦

遠藤 功 [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長],加登 豊 [神戸大学大学院経営学研究科教授],成生達彦 [京都大学大学院経営管理研究部教授],河野宏和 [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]
【第26回】 2010年12月27日
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今年6月にスタートした「日本を元気にする経営学教室」は、読者のみなさんから好評を博した。連載から半年を経た区切りとして、執筆いただいた4人の先生方にお集まりいただき、座談会を行った。4名とも日本を代表するビジネススクールの現校長または前校長のみなさんである。

テーマは「日本企業の現場は本当に大丈夫か」。日本企業の強さの源泉は、戦略は大したことがなくても、製造、営業、研究開発などのそれぞれの現場において、問題発見の能力、問題解決に向けた提案力や、対応力が高いことにあると考えられてきた。

だが、いま相次ぐ欠陥製品の出現に代表されるように、競争力の源である現場の力が落ちていることが懸念されている。いま、現場では何が起こっているのか、現場の力を再興するには、どのような視点が必要なのかを、縦横無尽に語っていただいた。

座談会は3回連続。第1回目は、現場に対する現状認識と現場の力が落ちてきた要因について議論する。(司会 ダイヤモンド・オンライン客員論説委員 原 英次郎)

日本の「現場力」は大きく低下
低下に対する危機感も欠ける

遠藤 功(えんどう いさお)「現場力という組織力が弱ってしまったら、たぶん日本企業の根幹をなす競争力を失ってしまう」

司会 企業の現場における、問題発見能力や問題解決能力を「現場力」という言葉で表すとすれば、われわれはまだ日本の現場は強いと思っているフシがある。本当にそうなのか。最初に、現在の日本の現場をどう見ているか、現状認識から議論を進めてください。「現場力」の提唱者でもある、遠藤先生から。

遠藤 日本の会社の特徴がどこにあったかというと、欧米に比べると卓越した目を見張るようなリーダーが数多くいたわけではない。では、どうして評価されていたかというと、製造現場にしても研究開発にしても、現場に高い当事者意識があって、自分達が会社を支えているという意識を持った集団の力が存在していたことにあると思う。「現場力」という組織力が弱ってしまったら、たぶん日本企業の根幹をなす競争力を失ってしまう、というのが私の問題意識です。

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遠藤 功(えんどう いさお) [早稲田大学ビジネススクール教授 株式会社ローランド・ベルガー会長]

1956年生れ。79年早稲田大学商学部卒業、三菱電機入社、米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。その後、米系戦略コンサルティング会社を経て、2008年から早稲田大学ビジネススクールのMBA/MOTプログラムディレクターとして、ビジネススクールの運営を統轄。また、欧州系最大の戦略コンサルティング・ファームであるローランド・ベルガーの日本法人会長として、経営コンサルティングにも従事。『MBAオペレーション戦略』『現場力を鍛える』『見える化』など著書多数。

加登 豊(かと ゆたか) [神戸大学大学院経営学研究科教授]

1953年生れ。78年3月神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程修了、86年4月大阪府立大学経済学部助教授、94年1月神戸大学経営学部教授、99年4月神戸大学大学院経営学研究科教授、2008年4月~10年3月経営学研究科長・経営学部長。『インサイト管理会計』『インサイト原価計算』『ケースブック コストマネジメント』『管理会計入門』など著書多数。

成生達彦(なりう たつひこ) [京都大学大学院経営管理研究部教授]

1952年生まれ。78年横浜国立大学大学院経済学研究科修士課程卒業、81年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修学、89年米国ノ-スカロライナ州立大学大学院卒業(Ph.D.)、81年南山大学経営学部に就職、94年に教授、同年京都大学博士(経済学)、98年京都大学大学院経済学研究科教授、2006年京都大学大学院経営管理研究部教授、2008年~09年京都大学大学院経営管理研究部研究部長。主著に『ミクロ経済学入門』など。

河野 宏和(こうの ひろかず) [慶應義塾大学大学院学経営管理研究科委員長 慶応義塾大学ビジネス・スクール校長]

1980年慶應義塾大学工学部卒業、82年同大学院工学研究科修士課程、87年博士課程修了、同年慶應義塾大学大学院経営管理研究科助手、91年工学博士、91年助教授、98年教授となる。2009年10月より慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。1991年7月より1年間、ハーバード大学ビジネス・スクールヘ留学。IEレビュー誌編集委員長、TPM優秀賞審査委員、日本経営工学会理事。


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国内市場は成熟化する一方、グローバル化は急速に進展し、新興国の勃興も著しい。もはや、自ら新たな目標を設定し、ビジネスモデルを構築しなくてはいけない時代に突入。にもかかわらず、日本企業には閉塞感が漂う。この閉塞感を突破するにはどうしたらよいのか。著名ビジネススクールの校長・元校長で、経営学のリーダーたちが、リレー形式で、問題の所在を指摘し、変革のヒントを提起する。

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